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「何の話?」
そこへ白のシャツと黒の短パンを履いて風呂から出てきたゲルハルトがいた。
特徴的な白髪に黒い瞳がライトに当たって輝いて見えた。
「ご主人の話だよ」
「俺の話?そんなの聞いたって面白くないし、どうせ聞くならあいつらの話か今後の話でしょ」
ジョゼとゲルハルトで俺を挟み込むように腰掛け、目元を細めて笑いかけてきた。
「それはジョゼからは話せないよ」
「だよな。よし、食べながら話そう」
そう言ってサイドテーブルに触れると、無造作に置かれていた資料が一瞬で綺麗にまとめられ、床の角に置かれた。
空いたテーブルの上には、見覚えのない料理が置かれた。
色とりどりで見た目は美味しそうだが、どれも味が想像つかない。
「いただきまーす」
並べられたものを見つめていたら、ジョゼが目の前にあったら皿に頭をつっこみ食べ始めた。
「大丈夫、毒とか入ってないから安心してイヴも食べなよ」
「いや、その心配はしてなかったけど……あんま見かけない料理だなって思って」
「そう?まぁ、花を使った料理ってあんまり見かけないかもな」
「花?」
「そう。最近この地域で採れるようになった花で、今の時期が旬で野菜と混ぜ混むと美味しいよ」
「へぇ………知らなかった」
ばあちゃんと暮らしていたときは、麺ものだとか煮物だとかをよく食べていたっけ。
他の一族がどんなものを食べて暮らしていたかは知らないけれど、きっとこんな華やかなものを食べていたんだろうな。
「ま、ゆっくり召し上がれ」
「では遠慮なく……いただきます」
恐る恐る料理を口に運べば、滅茶苦茶旨かった。
料理といって良いのか分からないが、能力だとしてもここまで出来るとか凄すぎる奴だ、相変わらず。
「さて、まずこれを言っておかないとね」
「ん?」
料理へ伸ばした手が止まらず、視線だけゲルハルトに向ければ何故か女性がキャーキャーと騒ぎそうな色気のある顔を俺に向けていた。
「さっきは言えなかったけど、お帰り、イヴ。また会えて嬉しいよ」
そこへ白のシャツと黒の短パンを履いて風呂から出てきたゲルハルトがいた。
特徴的な白髪に黒い瞳がライトに当たって輝いて見えた。
「ご主人の話だよ」
「俺の話?そんなの聞いたって面白くないし、どうせ聞くならあいつらの話か今後の話でしょ」
ジョゼとゲルハルトで俺を挟み込むように腰掛け、目元を細めて笑いかけてきた。
「それはジョゼからは話せないよ」
「だよな。よし、食べながら話そう」
そう言ってサイドテーブルに触れると、無造作に置かれていた資料が一瞬で綺麗にまとめられ、床の角に置かれた。
空いたテーブルの上には、見覚えのない料理が置かれた。
色とりどりで見た目は美味しそうだが、どれも味が想像つかない。
「いただきまーす」
並べられたものを見つめていたら、ジョゼが目の前にあったら皿に頭をつっこみ食べ始めた。
「大丈夫、毒とか入ってないから安心してイヴも食べなよ」
「いや、その心配はしてなかったけど……あんま見かけない料理だなって思って」
「そう?まぁ、花を使った料理ってあんまり見かけないかもな」
「花?」
「そう。最近この地域で採れるようになった花で、今の時期が旬で野菜と混ぜ混むと美味しいよ」
「へぇ………知らなかった」
ばあちゃんと暮らしていたときは、麺ものだとか煮物だとかをよく食べていたっけ。
他の一族がどんなものを食べて暮らしていたかは知らないけれど、きっとこんな華やかなものを食べていたんだろうな。
「ま、ゆっくり召し上がれ」
「では遠慮なく……いただきます」
恐る恐る料理を口に運べば、滅茶苦茶旨かった。
料理といって良いのか分からないが、能力だとしてもここまで出来るとか凄すぎる奴だ、相変わらず。
「さて、まずこれを言っておかないとね」
「ん?」
料理へ伸ばした手が止まらず、視線だけゲルハルトに向ければ何故か女性がキャーキャーと騒ぎそうな色気のある顔を俺に向けていた。
「さっきは言えなかったけど、お帰り、イヴ。また会えて嬉しいよ」
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