カランコエの咲く所で

mahiro

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「は?」


二人とも偽者だったってどういうことだ。
エクベルトは昨日初めて会ったばかりだから偽者なのか本物なのか判断つかなくても仕方ないのではと思うが、ヨーゼフに関しては転生してからほとんど一緒に居た。
だから違いがあれば分かるはずなのに、言われるまで分からなかった。


「いつからだ?いつから、偽物だったんだ?」


目の前にあるゲルハルトの肩を握りしめれば、その手の上に大きな手のひらを乗せられた。


「イヴ君を見つけて村長の所に行った所までは本物のヨーゼフかな」


「そんなに前……」


全く気付かなかった。
側で共に過ごしていたヨーゼフは、あの時のヨーゼフ本人だと疑いもしなかった。
そうだと気付かずただのうのうといつか目覚めるかも分からない能力の開花を目指し、闇雲になっていただけの自分が恥ずかしい。


「あぁ、でも、村長が許可して住んでいた家にいたヨーゼフはイヴ君が脳で作り出したヨーゼフで、実際にあの家で暮らしていたのはイヴ君だけだよ」


「俺が作り出したヨーゼフ?」


「そう。ひとりで寂しくならないようにってヨーゼフがイヴ君に魔法をかけたんだよ。でも、その魔法はイヴ君がひとりでいても寂しくないように、幸せな暮らしを送れるようにって魔法で、かけただけでヨーゼフと共に暮らすように見せたものではなかったんだよ」


「魔法を……かけたってそのときには魔法を使えてたってことか?」


「使えてたよ。本物のヨーゼフは3歳で能力開花してたし、5歳じゃ中級まで行けていたと思う」


「なっ………!じゃあ、村長に許可を得てってのは」


「得られなかったよ。英雄であった二人の大切な子供に何処の子供か分からない子供と生活をさせられないってね。ただ、そのまま放っておくのは可哀想だから、今までヨーゼフが暮らしていた家の側を借りて監視も含めて、俺みたいな特級や上級の魔法使いが定期的に見に来てたってわけ」
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