カランコエの咲く所で

mahiro

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「オレもイヴも嘘なんかつきません」


真っ直ぐにゲルハルトを見るヨーゼフに、仮にだよとゲルハルトは言った。


「さ、文句は解決した後に聞くからまずはやって見るよ。はい、じゃあイヴ君は俺のおでこに顔つけてから目を瞑って」


目線を合わせるようにしゃがみこんだゲルハルトに、顔なんか近付けたくないがここは大人しく従うことにする。
俺にはここを解決する術なんてないわけだし。


「よし、じゃあ見てみようか」


両肩を掴まれ、額に体温を感じたと思ったら身体の感覚が途端に消えた。
何が起きたのかと目を開けると、何故か先程までいた村の上空にいた。
時間帯は夜なのか空が真っ暗だ。


「うん、成功したね」


真横からゲルハルトの声がして、顔を見上げてみれば確かにそこにゲルハルトはいるのに身体が透けて見えた。
俺の身体はどうかと身体を見てみたら俺もゲルハルト同様に身体が透けていた。
どうやら、瓦礫の山の記憶に入り込めたようだ。
何故瓦礫の山に記憶なのに、上空からなのかと一瞬疑問に思ったのだが、どうせゲルハルトのことだから、上からじゃないと分かりにくいと思い加工でもしたのだろう。
そういうことしそうだしな、と漠然と思った。
ゲルハルトから立派な建物になった瓦礫の山たちに視線を移した。
その次の瞬間だった。


建物だった瓦礫の山が音もなくまるで砂のように崩れて行き、地面に落ちたそれらは段々と塊を造り出し、まるで瓦礫の山の形に戻っていくのが確かに見えた。


それは俺とヨーゼフ、エクベルトが少し離れた位置に移動してすぐの出来事だった。
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