カランコエの咲く所で

mahiro

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「関係性は分かりました。オレのためにゲルハルト先生がイヴを連れてきてくれたのは嬉しいですし、正直顔を見れただけでも気分が晴れたのは事実です。お陰でもう少しやれそうです。ですが、見ての通りここの村は瓦礫ばかりで危険です。もしイヴが怪我でもしたらどうするのですか」


「ヨーゼフは本当にイヴ君のことが大切なんだね。大丈夫だよ。もしイヴ君が怪我したら連れてきた先輩が責任を持って治してくれるから」


エクベルトが晴れやかにそう答えれば、ゲルハルトは整った眉を潜めた。   


「ええ?俺なの?」


俺はヨーゼフの後ろで、折角能力開花の鍵を掴めたかもしれないと、舞い上がりつつあったのに、ヨーゼフの言葉にここでも俺は足手まといなのかと落ち込んだ。
でも、もしここで開花すれば足手まといではなくなるかもしれない。


「ヨーゼフ、俺なら大丈夫だから」


目の前にいるヨーゼフのコートの袖を掴み、そう言えば、掴んでいた手を握り締められた。
そして、俺の目線に合わせるようにしゃがみこみ笑った。


「エクベルト先生の言うように、イヴに何かあってもゲルハルト先生が治してくれるから大丈夫。困ったことがあったらオレや先生に何でも言うんだよ。絶対に一人で抱え込んではいけないよ」


どうやら、俺の『大丈夫』が強がりに聞こえたようだ。
確かに今の能力値的に考えれば強がりになるが、万が一うまく行けば強がりではなくなる。
ヨーゼフの制限解除と同時進行で俺の開花も進められれば最高なのだが、そうもいかないか。
一先ず今の段階では、ヨーゼフのことを優先しないとな。


「ヨーゼフこそ、無理はしちゃダメ。折角仲間が側にいるのだからもっと頼って」


握り締められた手を握り返してそう言えば、ヨーゼフは嬉しそうに微笑んだ。


「そうだね。ひとりで何とかしようと思うからダメなんだよね。ありがとう、イヴ」
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