24 / 25
その24
しおりを挟む
「転職っすか?」
今まで考えたことがなかったわけじゃない。
目の前にある仕事をひたすらこなす日々をいつまで続けるのかと思ったりもした。
だが、転職活動をするにも気合いがいるし新たに人間関係を構築するのを面倒に感じて結局、そのままずるずるとときが過ぎていたのだ。
引っ越しに関しても、特にこの家にこだわりがあるわけではなくて探すのが億劫で、引っ越し作業も時間がかかるから面倒だと思っていただけである。
「そ。今より待遇は絶対に良くするし、休暇は取ることができる。履歴書は書いて貰うが、その他の筆記テストだとか面接は…別にいらないな。お前には良い話だと思うけど?」
「面接いらず……」
それはありがたい。
あの窮屈な空間苦手だし。
できることならやりたくない。
「その仕事って何ですか?」
まさかヤバい仕事とかじゃないよな。
「俺の秘書」
「は?」
「俺事務所立てたんだけどよ、仕事があり過ぎて俺だけじゃ整理できなくなってきてんだよ。だから誰かにも把握して、スケジューリングとかして欲しいんだよな。望月は望月で内部のことでいっぱいいっぱいだし、船守は経理のこと頼んでるだが、そっちもそれで手一杯だしで頼める奴がいないんだよ」
「望月先輩にふなっち?」
「あいつらも俺の事務所で働いて貰ってんの。今のところ、社員は俺と望月と船守だけ。追々増やしていくつもりだがな。で、どうよ?」
ということは、常に年輩の側にいられて、望月先輩とふなっちといつも会えるのか。
「凄い良い話だと思います!」
「良い反応。それじゃ、お前の仕事を辞めた段階でうちの事務所に来な。望月も船守も待ってるから」
「うっす!」
早速明日にでも辞表を出そう。
これで残業オンパレードとおさらばできる、と思っていたら先輩に微笑ましいようなものを見るような目で見られていることに気付いた。
「やっぱりお前はそうやって無邪気に笑ってる方が良いよ」
今まで考えたことがなかったわけじゃない。
目の前にある仕事をひたすらこなす日々をいつまで続けるのかと思ったりもした。
だが、転職活動をするにも気合いがいるし新たに人間関係を構築するのを面倒に感じて結局、そのままずるずるとときが過ぎていたのだ。
引っ越しに関しても、特にこの家にこだわりがあるわけではなくて探すのが億劫で、引っ越し作業も時間がかかるから面倒だと思っていただけである。
「そ。今より待遇は絶対に良くするし、休暇は取ることができる。履歴書は書いて貰うが、その他の筆記テストだとか面接は…別にいらないな。お前には良い話だと思うけど?」
「面接いらず……」
それはありがたい。
あの窮屈な空間苦手だし。
できることならやりたくない。
「その仕事って何ですか?」
まさかヤバい仕事とかじゃないよな。
「俺の秘書」
「は?」
「俺事務所立てたんだけどよ、仕事があり過ぎて俺だけじゃ整理できなくなってきてんだよ。だから誰かにも把握して、スケジューリングとかして欲しいんだよな。望月は望月で内部のことでいっぱいいっぱいだし、船守は経理のこと頼んでるだが、そっちもそれで手一杯だしで頼める奴がいないんだよ」
「望月先輩にふなっち?」
「あいつらも俺の事務所で働いて貰ってんの。今のところ、社員は俺と望月と船守だけ。追々増やしていくつもりだがな。で、どうよ?」
ということは、常に年輩の側にいられて、望月先輩とふなっちといつも会えるのか。
「凄い良い話だと思います!」
「良い反応。それじゃ、お前の仕事を辞めた段階でうちの事務所に来な。望月も船守も待ってるから」
「うっす!」
早速明日にでも辞表を出そう。
これで残業オンパレードとおさらばできる、と思っていたら先輩に微笑ましいようなものを見るような目で見られていることに気付いた。
「やっぱりお前はそうやって無邪気に笑ってる方が良いよ」
44
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
君と秘密の部屋
325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。
「いつから知っていたの?」
今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。
対して僕はただのモブ。
この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。
それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。
筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子
その日君は笑った
mahiro
BL
大学で知り合った友人たちが恋人のことで泣く姿を嫌でも見ていた。
それを見ながらそんな風に感情を露に出来る程人を好きなるなんて良いなと思っていたが、まさか平凡な俺が彼らと同じようになるなんて。
最初に書いた作品「泣くなといい聞かせて」の登場人物が出てきます。
※完結いたしました。
閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。
拙い文章でもお付き合いいただけたこと、誠に感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願い致します。
素直じゃない人
うりぼう
BL
平社員×会長の孫
社会人同士
年下攻め
ある日突然異動を命じられた昭仁。
異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。
厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。
しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。
そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり……
というMLものです。
えろは少なめ。
どこにでもある話と思ったら、まさか?
きりか
BL
ストロベリームーンとニュースで言われた月夜の晩に、リストラ対象になった俺は、アルコールによって現実逃避をし、異世界転生らしきこととなったが、あまりにありきたりな展開に笑いがこみ上げてきたところ、イケメンが2人現れて…。
罰ゲームって楽しいね♪
あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」
おれ七海 直也(ななみ なおや)は
告白された。
クールでかっこいいと言われている
鈴木 海(すずき かい)に、告白、
さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。
なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの
告白の答えを待つ…。
おれは、わかっていた────これは
罰ゲームだ。
きっと罰ゲームで『男に告白しろ』
とでも言われたのだろう…。
いいよ、なら──楽しんでやろう!!
てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が
こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ!
ひょんなことで海とつき合ったおれ…。
だが、それが…とんでもないことになる。
────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪
この作品はpixivにも記載されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる