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先ずは

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「正直、先の事は分かりません。
でも、今はここにいてガナドール様とお茶をしたい。
精霊達の様子を見に行ったりしたい。
このままの生活を送っていたいです」


ガナドール様は目を閉じ私の気持ちを聞いて、じっと考えています。

「私がここにいるためには、すぐにガナドール様の寿命を分けて貰わないとダメでしょうか?」

「どういう事かな?」
考え込んでいたガナドール様が私を見ます。


「私のガナドール様に対する気持ちに嘘偽りはありませんし、変わる事もないと思います。
でも、ただ一緒にいる事が許されないなら、普通の人間の人生と違った道を行く事を家族に伝え許しを乞いたいと思うのです。
それに、ガナドール様が言われたように、100年も満たないはずの人生が数倍になった時の自分をまだ想像出来なくて」


「すぐに納得するような事ではないのだから、悩むのは当たり前だ。
別に慌てて、決める必要の話ではないよ。
アニエスの気持ちは分かったし、嬉しく思う。
そなたがいいのなら、側にいてほしい。
これからの事はゆっくり決めればよい」

私はほっとして、頷きました。

「ガナドール様ありがとうございます」

今度は私からガナドール様の手を取り握ります。


「先ずは、エヴィラールの建て直しや騎士たちの事が先だな」

「そうですね。 それに今日は国王陛下に呼ばれていましたね」

「ああ、アニエスに会いたいと言伝てをもらっている」

やっと体力が戻って来て、ベッドを出ることが出来た陛下からの希望でこれからエヴィラールへ行く事になります。

「ガナドール様も一緒に行ってくれますか?」

少し心細い私はガナドール様にお願いしました。

「そなたを1人で行かせる気はない。ちゃんと付いて行くぞ」

そう言ってもらえて凄く安心しました。

陛下が私に何かする訳はないと分かっても、エヴィラールに戻るのは少し勇気がいります。
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