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オーラス視点
しおりを挟む「オーラス様ぁ~」
名前を呼ばれて振り替えれば、そこには今にも胸が服から飛び出そうな胸元を大きくあけたドレスを着たコーデリアが急ぎ足でやってくる。
オーラスはコーデリアの胸元に目をやりながら片手でコーデリアの腰を抱き寄せ尋ねた。
「どうした? 何かあったのか?」
「オーラス様、どうして私の部屋の護衛が減ったのですか?」
「ん?」
「私の部屋の前に護衛が1人しかいないですぅー
前は3人もいたのに。
これでは、ベリンダとカーラと同じになっちゃいます
私がオーラス様の1番だったのにちゃんと特別扱いしてくれないと怒りますよ」
「1番はいつでもそなただ。
安心しろ
それに2人に護衛はもう付いてない」
「そうなんですか?」
「ああ、今は騎士の人数が減っていろいろな所へ回さなければならなくなった。
だが、そなたにはちゃんと付けてやってるんだぞ」
「わかりました。私だけ特別ですよね?
でも、このところ侍女の数も減っていませんか?」
「ああ、城の侍女がまとめて辞めたんだ。
それも今代わりを探しているから我慢してくれ」
「わかりました。でも、いつまでも3人だけでは嫌ですよ。
せめて5人にしてください」
「ああ、もう少しまっててくれ」
コーデリアを何とかなだめた。
下手にヘソを曲げると夜部屋に入れてもらえなくなるからな。
全く女は手がかかる。
それも、これも、騎士や侍女などがどんどん辞めていくからいけないのだ。
最初は給金を払う金も減るから、喜んだが、流石に減りすぎだ。
いろいろなところで人手不足が目立ってきた。
その上、いくら募集をかけても人が集まらなかった。
町には仕事を求めている人間がいくらでもいると思っていたのに…
たまに求人を知ってやってくる者も給金を聞いて逃げていく。
何なんだ、仕事をやると言っているんだから、少しくらい給金が少なくてもありがたく思えばいいじゃないか。
こんな状態を父上に知られる訳にはいかない、もう少し体調不良でいてもらわなければ…
そう言ってオーラスは懐から薬を出した。
それはちょっとした出来心から父上に飲ませた薬だった。
健康な人が飲むと毒になってしまうような危うい薬。
「大丈夫、 あと1回だけだ。
あと1回だけ…
父上にはもう少しだけ臥せっていてもらおう」
オーラスはまた薬を懐にしまった。
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