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さすがの公爵令嬢
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「あら? 私達が殿下をご招待する事に何か文句がありますの?」
殿下に群がっていた、1年の令嬢達はその声に振り返ります。
一体誰が殿下にそんな狡い事をしたのだと、凄い怖い顔で振り向く令嬢もいます。
でも、相手を見た瞬間、2人の侯爵令嬢が顔を青くします。
「あ、あなた方は…」
「え? 誰ですの?」
まだ誰か分からない他の令嬢達は顔色を変えた令嬢を見て、これは不味い相手だったかと様子を伺い出します。
「折角だ、皆さんが知りたがっていた招待してくれた2人を紹介しますよ」
とジュリアス殿下が前に出た。
「まず、私の横にいらっしゃるのがカスタニエ公爵家のオレリア様、隣がルエル公爵家のリゼット様です。お2人とも3年生の先輩方ですよ」
「え…公爵家?」
「3年… 公爵…」
各々皆さん困惑の顔をされています。
いつの間にか遠巻きに食堂にいる殆どの人達が注目しています。
それはそうですよね、見方によっては、最高学年の公爵令嬢にケンカを売った形の1年生の侯爵令嬢と伯爵令嬢達という図式が出来上がりつつあるのですから。
「私達は王妃様にジュリアス殿下の学校でのお困り事に手を貸してほしいと言われていますのよ」
とオレリア様が令嬢達を見回しながら言います。
さすがの貫禄ですね。
「なぜ、王妃様が私達にそんなお願い事をするのかと、思っておりましたが、こう言う訳だったのですね」
とリゼット様が眉間にシワを寄せて言います。
そんな顔でも、絵になるほど美しい。
令嬢達もリゼット様に見惚れていますね。
「カスタニエ公爵令嬢様達とは知らず…し、失礼いたしました。
で、でも私は何も言っていませんわ、この人達が勝手な憶測を…」
令嬢達の中でも一番格の高い侯爵家の令嬢が非礼を詫びます。
そして自分は公爵家に楯突く事はしていないと言い出しました。
「ちょっ! 私だって別に…
ただ、アンジェリーナ様達ばかりが殿下と一緒にいるからちょっと愚痴を」
「そ、そうですわ。
公爵家のする事に文句などありませんのよ。 ただ、アンジェリーナ様達が…」
と今度は私達の所為にし始めている。
「ひとつ… 言っておくわ。
アンジェリーナ様とアンヌリーブ様も王妃様に直々に頼まれて動いているのよ。
わかる? 私達もアンジェリーナ様達も王妃様の代わりなの」
そう言って微笑むオレリア様の顔は
とても気品があるのに、とてつもない圧が…
さすが公爵家のご令嬢。
「…」「「…」」
皆圧倒されて、言葉もないようですね。
殿下に群がっていた、1年の令嬢達はその声に振り返ります。
一体誰が殿下にそんな狡い事をしたのだと、凄い怖い顔で振り向く令嬢もいます。
でも、相手を見た瞬間、2人の侯爵令嬢が顔を青くします。
「あ、あなた方は…」
「え? 誰ですの?」
まだ誰か分からない他の令嬢達は顔色を変えた令嬢を見て、これは不味い相手だったかと様子を伺い出します。
「折角だ、皆さんが知りたがっていた招待してくれた2人を紹介しますよ」
とジュリアス殿下が前に出た。
「まず、私の横にいらっしゃるのがカスタニエ公爵家のオレリア様、隣がルエル公爵家のリゼット様です。お2人とも3年生の先輩方ですよ」
「え…公爵家?」
「3年… 公爵…」
各々皆さん困惑の顔をされています。
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とオレリア様が令嬢達を見回しながら言います。
さすがの貫禄ですね。
「なぜ、王妃様が私達にそんなお願い事をするのかと、思っておりましたが、こう言う訳だったのですね」
とリゼット様が眉間にシワを寄せて言います。
そんな顔でも、絵になるほど美しい。
令嬢達もリゼット様に見惚れていますね。
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で、でも私は何も言っていませんわ、この人達が勝手な憶測を…」
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わかる? 私達もアンジェリーナ様達も王妃様の代わりなの」
そう言って微笑むオレリア様の顔は
とても気品があるのに、とてつもない圧が…
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「…」「「…」」
皆圧倒されて、言葉もないようですね。
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