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朝の散歩
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朝、目が覚めると見慣れない天井で、一瞬戸惑った。
そうだ、私はスターレン領へ来たんだった。
ベッドから起き上がり、部屋の窓を開けてテラスへ出てみる。
まだ夜明けまでありそうだし、少し肌寒い。
王都はもう初夏と言う頃なのに、ここはまだ春間もないくらいの気温だな。
疲れていたはずだけど、ずいぶんと早く目が覚めてしまったようだ。
せっかくだし、朝の散歩でもしようかな。
旅の最中に来ていたワンピースなら、1人でも着替えられるし…
本当はコルセット意外は割と1人で何とかなるんだけど、普段侯爵令嬢としては侍女を使わなければいけない。
でも、エマ達を起こすのは悪いわよね。
簡単に髪を梳かし、ひとつにまとめてワンピースに着替えて部屋を出る。
廊下をゆっくり進むと二階の中央ホールに出た。
ホールに面したテラスはそのまま庭園に続く階段がある。
テラス窓の鍵をあけて、テラスへ出るとちょうど辺りが明るくなってきた。
テラスから見えた朝焼けはとても綺麗で早起きのご褒美のようだった。
「明るくなったから、歩きやすいわね」
テラスの階段を下りながら庭園に進んでいった。
エリノア様は庭園の花ばなは、あまり育たないとおっしゃっていたけれど、綺麗に手入れをされた庭は充分見事だった。
庭園を進んで行くうちに、左の方から音が聞こえる…
カン カン キン
何か金属をぶつけ合うような音?
音がする方へ歩いて行くと、城壁の様な高い塀があった。
塀に沿って歩いて行くと入れる場所があった。
中を覗いてみると、そこは訓練場のようだった。
広い場所の真ん中に2人の騎士が剣を交えていた。
端の方で眺めていると、騎士の1人はヴォルフ様だとわかった。
もう1人は?
「アンジェ?」
剣を擦り合わせていた2人が離れた瞬間、ヴォルフ様の視界に入ってしまったようだ。
ヴォルフ様がこっちに走って来た。
「ごめんなさい、邪魔をしてしまったようですね」
「いや、大丈夫だよ。 随分早起きだね」
「なんだか目が覚めてしまって、朝の散歩に出たのですが…」
「そうか、ちょうどいい紹介するよ 兄のランドルフだ」
ゆっくり近くまで歩いて来ていたその人はニコニコと、とてもいい笑顔でこっちを見ている。
「やあ、はじめまして兄のランドルフだ。
昨夜は私も父も戻りが遅くなったから、挨拶が出来ず失礼したね」
「いいえ、お気になさらず…
アンジェリーナ・ラフォールです。
よろしくお願いいたします」
「ふーん ヴォルフが随分と惚れ込んだ相手を見付けてきたと思ったが… こんなにお美しい女性だとは思わなかったなぁ」
と言われてなんだか、いたたまれません。
だって私の今の格好って起き抜けで化粧もしてないし、全く着飾っていない町娘のようだもの。
そう思ったらヴォルフ様の後ろに隠れてしまいました。
「す、すいません 私侍女を起こすのもしのびなくて…
人様の前に出るような格好ではありませんでしたわ」
「大丈夫だよ、アンジェはどんな格好でも可愛いから」
「ですが…」
「そうそう、気にしないでくれ、家族になるんだから。こんな辺境じゃあ王都みたいに気取ってなくていいよ」
ランドルフ様は随分と気さくな方のようです。
そうだ、私はスターレン領へ来たんだった。
ベッドから起き上がり、部屋の窓を開けてテラスへ出てみる。
まだ夜明けまでありそうだし、少し肌寒い。
王都はもう初夏と言う頃なのに、ここはまだ春間もないくらいの気温だな。
疲れていたはずだけど、ずいぶんと早く目が覚めてしまったようだ。
せっかくだし、朝の散歩でもしようかな。
旅の最中に来ていたワンピースなら、1人でも着替えられるし…
本当はコルセット意外は割と1人で何とかなるんだけど、普段侯爵令嬢としては侍女を使わなければいけない。
でも、エマ達を起こすのは悪いわよね。
簡単に髪を梳かし、ひとつにまとめてワンピースに着替えて部屋を出る。
廊下をゆっくり進むと二階の中央ホールに出た。
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テラス窓の鍵をあけて、テラスへ出るとちょうど辺りが明るくなってきた。
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「明るくなったから、歩きやすいわね」
テラスの階段を下りながら庭園に進んでいった。
エリノア様は庭園の花ばなは、あまり育たないとおっしゃっていたけれど、綺麗に手入れをされた庭は充分見事だった。
庭園を進んで行くうちに、左の方から音が聞こえる…
カン カン キン
何か金属をぶつけ合うような音?
音がする方へ歩いて行くと、城壁の様な高い塀があった。
塀に沿って歩いて行くと入れる場所があった。
中を覗いてみると、そこは訓練場のようだった。
広い場所の真ん中に2人の騎士が剣を交えていた。
端の方で眺めていると、騎士の1人はヴォルフ様だとわかった。
もう1人は?
「アンジェ?」
剣を擦り合わせていた2人が離れた瞬間、ヴォルフ様の視界に入ってしまったようだ。
ヴォルフ様がこっちに走って来た。
「ごめんなさい、邪魔をしてしまったようですね」
「いや、大丈夫だよ。 随分早起きだね」
「なんだか目が覚めてしまって、朝の散歩に出たのですが…」
「そうか、ちょうどいい紹介するよ 兄のランドルフだ」
ゆっくり近くまで歩いて来ていたその人はニコニコと、とてもいい笑顔でこっちを見ている。
「やあ、はじめまして兄のランドルフだ。
昨夜は私も父も戻りが遅くなったから、挨拶が出来ず失礼したね」
「いいえ、お気になさらず…
アンジェリーナ・ラフォールです。
よろしくお願いいたします」
「ふーん ヴォルフが随分と惚れ込んだ相手を見付けてきたと思ったが… こんなにお美しい女性だとは思わなかったなぁ」
と言われてなんだか、いたたまれません。
だって私の今の格好って起き抜けで化粧もしてないし、全く着飾っていない町娘のようだもの。
そう思ったらヴォルフ様の後ろに隠れてしまいました。
「す、すいません 私侍女を起こすのもしのびなくて…
人様の前に出るような格好ではありませんでしたわ」
「大丈夫だよ、アンジェはどんな格好でも可愛いから」
「ですが…」
「そうそう、気にしないでくれ、家族になるんだから。こんな辺境じゃあ王都みたいに気取ってなくていいよ」
ランドルフ様は随分と気さくな方のようです。
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