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エミリーの気持ちは?

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「もう、決まりの話ですか?」

私はセルビ様に、エミリーとの婚約話は確定かと質問しました。

「いや、まだ保留と言えば保留かな…」

「それはセルビ様としては気が乗らないと言うことなのですか?」

「いや、そんな事はないのだが…
エミリー嬢の気持ちもあるから」

「婚約は、バロー伯爵家からの申し込みですか?」

「ああ、そう聞いている」

「でしたら、エミリーは話を聞いて了承しているのでしょうね
バロー伯爵は娘の意志に反した事はなさらない筈ですよ」

何度かお会いしたけど、バロー伯爵とエミリーはとてもいい親子関係だった。
勝手に婚約者を決めるような方ではないと思う。

「私がそれとなくエミリーの気持ちを聞いた方がいいですか?
私はセルビ様とエミリーはお似合いだと思いますけど…」

「そうだな…いや、
エミリー嬢と直接話す機会を作ってくれないか?」

「… そうですね。
私もその方がいいと思います。
では、あすの朝はどうですか?
少し早めに来ていただけますか?」

「?」

「エミリーは朝早くから、花壇の世話をしているんですよ」

「なるほど、わかった
では、明日の朝いつもより早めに登校する」

私はセルビ様と明日の約束をして、分かれました。


◇◇◇◇◇◇◇◇


「アンジェ」

セルビ様と別れて帰ろうとすると
当事者のエミリーに声をかけられた。

「エミリー 部活は終わったの?」

「ええ アンジェこそ、まだ学校にいたの?
今日は用事があるって言ってたのに…」

そう言えば、用事があるからと部活を断ったのだった。

「ええ、実はセルビ様と話があって、さっきまでご一緒してたの」

「そ、そう」

あら? セルビ様の名を出した途端顔が… 赤らんだような…

「あの、アンジェ 実は私トーマス・セルビ様の事を聞きたかったのだけど…
アンジェはトーマス様の印象はどんな?」

「セルビ様? そうね~
真面目で優しい方だと思うわ
私も殿下の事ではたくさんお世話になったし…」

「そうよね。 ユーリア嬢に絡まれた時、カッコ良かったわよね。
颯爽と表れて正論をぶつけていた姿がとても凛々しかったもの」

ああ、そうかあの時にエミリーはセルビ様を見初めたのね。

「確かにカッコ良かったわね
エミリー、セルビ様が好み?」

「え? そ、そう言う訳ではないけど…」
と言った後に、意を決した様な顔で私を見ました。

「あのね、アンジェ、実はお父様からトーマス様との婚約話を進めたいと相談されて…」

「まあ いいじゃないの」
私は知らない振りで答えました。

「そう思う?」

「ええ、とても誠実な方だと思うし、エミリーは乗り気ではないの?」

「そんな事はないと言うか、嬉しかったというか…」
と言って今度は真っ赤になってしまった。

これなら、大丈夫そうね。

「でも、私なんてトーマス様がお嫌かも…」

「あら、エミリーは可愛いし、聡明だからセルビ様とも話が合うと私は思うな~」

「ほんと? 本当にそう思う?」

「ええ、私はそう思うわ」

「そう」
エミリーは少しホッとしたような顔をしました。
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