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王妃様はモブなのか?
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次の日の午後、勉強会を断り王宮へ向かった。
馬車の中で、王妃様について考えた。
前世のマンガの中では、主人公と王子視点で書かれていた上に学校が舞台だったから、王妃様が出てきた記憶がなかった。
なので、王妃様の情報はアンジェリーナの記憶だけたった。
最初家族に対しても普通に仲が良くて驚いたし、王妃様に対しても、アンジェリーナに優しいと聞いて驚いた。
王妃から好かれる悪役令嬢って…
それに今日の呼び出しの意図がまったくわからない。
いったいなんだろう。
そうこうしている間に、馬車は王宮の車止めに止まった。
馬車を降りると、いつも迎えてくれる侍女らが待っていた。
そのまま王妃の部屋へ案内される。
「アンジェリーナ良く来てくれたわ、さあ座って 忙しい時にごめんなさいね」
「いいえ、王妃様問題ありませんので、お気になさらないで下さい」
「そう?ならよかった」そう微笑んだ王妃様はとても美しかった。
初めて見た王妃はプラチナブロンドの巻き毛を軽く束ねて、ルビーの髪止めをつけていた。
翡翠のような瞳はとても表情豊かだった。
そんな美しい人が私をじっと見つめてこう言った。
「本当に変わったのね。髪も化粧もまったく違ってる」
そう言えば私が初めて会うんだから、悪役令嬢風じゃないアンジェリーナを見るのははじめてなんだ。
「あの、私が学校で見た目を変えたことをなぜ王妃様は知っておられるのですか?」
「ふふふ、なぜだと思いますか?」
そう言った王妃様は、いたずらが見つかった子どものように楽しそうだ。
私は顔を傾げて考えていました。
ライアン殿下は気づいてないから、違うしな~
「ライアンからは聞いてませんよ」
王妃様からも言われました。
考えを読まれてます。
「それに、そもそもあの子はあなたの変化に気づいてないのでしょう?」
ありゃ それも承知ですか。
私が目を見開きびっくりしていると、また楽しそうにふふと笑われました。
「ねえ、アンジェリーナ 私は今まで全てを諦めたように、ただひたすら言われたことを淡々とこなすあなたをずっと見てきました。」
王妃様はとても辛そうなお顔をしながら私の手を取りました。
「そのあなたが変わった… 何があったのかしら?」
何をどこまで話すべきか…この人は前世の物語の中には出てこない。
ハッキリ言ってこの物語ではモブだろう。
だけど、現実となった世界では王妃様の影響力は半端ない。
どうする…
私の事を本気で心配してくれてるみたいだけど、でも殿下の身内には変わりない。
殿下の話は出さないようにしよう
「何かがあったわけではないのです。ただ、自分を嫌いになりたくはないと思いました。」
「そう。今の自分は好きになった?」
「はい」私は王妃様を真っ直ぐ見つめて答えた。
嘘は言ってない…だってアンジェリーナの心がそう言ってる。
王妃様はまた優しく微笑んでくれた。
「学校生活を楽しみなさいな。王妃教育はしばらく休みのままでいいわ その代わりたまにお茶に呼んでもいいかしら?」
試験が終っても、王宮へ通う必要はないってこと?
今日のように言われた時だけ王妃様のもとへ来ればいいとそう言ってくれてる。
「ありがとうございます。お誘いがありましたら喜んで」
王妃様は微笑んで頷いてくれました。
「さあ、お茶をいただきましょう」
私はカップに口をつけた。豊潤な香りが口にひろがった。
お菓子もとても美味しそう。沢山あるお菓子の中でチョコを使ったものが多かった。
ちゃんとアンジェリーナの好みも分かってるらしい。
アンジェリーナはチョコレートに目がない、私もチョコは好きだから嬉しいけど。
でも、わざわざ王妃様にチョコレートが好きだと言ったことはないんだって、それなのに「アンジェリーナはチョコレートがすきでしょ?」っていつも新しいチョコレート菓子を出してくれるらしい
王妃様は気遣いの人なんだろうな~と思う、ただ全てお見通し感がちょっと怖いけど…
そう言えば、さっきの学校での様子を知っていた理由も結局答えてくれてないし~
でも、なんか聞けない、知るのも怖い…
なんて考えながら、とりとめのないお喋りをしていると時間はあっという間に過ぎていった。
そろそろお暇の挨拶をしようかと思っていると、
「ねえ、アンジェリーナあなたはライアンとこの先の未来をどう思っていますか?」
これは…どう答えるべき?
折角上手く殿下の話は避けてたのに、王妃様ったらど直球!
どうしよう~
馬車の中で、王妃様について考えた。
前世のマンガの中では、主人公と王子視点で書かれていた上に学校が舞台だったから、王妃様が出てきた記憶がなかった。
なので、王妃様の情報はアンジェリーナの記憶だけたった。
最初家族に対しても普通に仲が良くて驚いたし、王妃様に対しても、アンジェリーナに優しいと聞いて驚いた。
王妃から好かれる悪役令嬢って…
それに今日の呼び出しの意図がまったくわからない。
いったいなんだろう。
そうこうしている間に、馬車は王宮の車止めに止まった。
馬車を降りると、いつも迎えてくれる侍女らが待っていた。
そのまま王妃の部屋へ案内される。
「アンジェリーナ良く来てくれたわ、さあ座って 忙しい時にごめんなさいね」
「いいえ、王妃様問題ありませんので、お気になさらないで下さい」
「そう?ならよかった」そう微笑んだ王妃様はとても美しかった。
初めて見た王妃はプラチナブロンドの巻き毛を軽く束ねて、ルビーの髪止めをつけていた。
翡翠のような瞳はとても表情豊かだった。
そんな美しい人が私をじっと見つめてこう言った。
「本当に変わったのね。髪も化粧もまったく違ってる」
そう言えば私が初めて会うんだから、悪役令嬢風じゃないアンジェリーナを見るのははじめてなんだ。
「あの、私が学校で見た目を変えたことをなぜ王妃様は知っておられるのですか?」
「ふふふ、なぜだと思いますか?」
そう言った王妃様は、いたずらが見つかった子どものように楽しそうだ。
私は顔を傾げて考えていました。
ライアン殿下は気づいてないから、違うしな~
「ライアンからは聞いてませんよ」
王妃様からも言われました。
考えを読まれてます。
「それに、そもそもあの子はあなたの変化に気づいてないのでしょう?」
ありゃ それも承知ですか。
私が目を見開きびっくりしていると、また楽しそうにふふと笑われました。
「ねえ、アンジェリーナ 私は今まで全てを諦めたように、ただひたすら言われたことを淡々とこなすあなたをずっと見てきました。」
王妃様はとても辛そうなお顔をしながら私の手を取りました。
「そのあなたが変わった… 何があったのかしら?」
何をどこまで話すべきか…この人は前世の物語の中には出てこない。
ハッキリ言ってこの物語ではモブだろう。
だけど、現実となった世界では王妃様の影響力は半端ない。
どうする…
私の事を本気で心配してくれてるみたいだけど、でも殿下の身内には変わりない。
殿下の話は出さないようにしよう
「何かがあったわけではないのです。ただ、自分を嫌いになりたくはないと思いました。」
「そう。今の自分は好きになった?」
「はい」私は王妃様を真っ直ぐ見つめて答えた。
嘘は言ってない…だってアンジェリーナの心がそう言ってる。
王妃様はまた優しく微笑んでくれた。
「学校生活を楽しみなさいな。王妃教育はしばらく休みのままでいいわ その代わりたまにお茶に呼んでもいいかしら?」
試験が終っても、王宮へ通う必要はないってこと?
今日のように言われた時だけ王妃様のもとへ来ればいいとそう言ってくれてる。
「ありがとうございます。お誘いがありましたら喜んで」
王妃様は微笑んで頷いてくれました。
「さあ、お茶をいただきましょう」
私はカップに口をつけた。豊潤な香りが口にひろがった。
お菓子もとても美味しそう。沢山あるお菓子の中でチョコを使ったものが多かった。
ちゃんとアンジェリーナの好みも分かってるらしい。
アンジェリーナはチョコレートに目がない、私もチョコは好きだから嬉しいけど。
でも、わざわざ王妃様にチョコレートが好きだと言ったことはないんだって、それなのに「アンジェリーナはチョコレートがすきでしょ?」っていつも新しいチョコレート菓子を出してくれるらしい
王妃様は気遣いの人なんだろうな~と思う、ただ全てお見通し感がちょっと怖いけど…
そう言えば、さっきの学校での様子を知っていた理由も結局答えてくれてないし~
でも、なんか聞けない、知るのも怖い…
なんて考えながら、とりとめのないお喋りをしていると時間はあっという間に過ぎていった。
そろそろお暇の挨拶をしようかと思っていると、
「ねえ、アンジェリーナあなたはライアンとこの先の未来をどう思っていますか?」
これは…どう答えるべき?
折角上手く殿下の話は避けてたのに、王妃様ったらど直球!
どうしよう~
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