王女殿下は家出を計画中

ゆうゆう

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セシル嬢の落とし物

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「それでね、明日セシル嬢を呼んであるの 詳しくブレスレットの形状を聞こうと思って、無理だとは思うのだけれど一応ね」

「そうですね、その話も上手くしないといけませんね」

「ええ、まさか城の人間が取ったかもしれないとは言えないしね。
でも、詳しい形状を提示して見つけた人に褒美を出せば、あるいは…」

「なるほど、そうですね。
猫ババしたとは言わなくても、返さないと不味いと思わせた上に、褒美まであれば
見つけたと言ってくる者がでるかも…
まさにアメとムチですね」

「だから、まずは明日一緒にセシル嬢と会って話を聞いてくれる?」

「分かりました。
お姉様明日はどちらの入口を指定されましたか?」

「え?明日は私の応接室を使う予定だから、東の玄関よ
なぜ?」
「では、東の玄関まで私が迎えに行きます。
この前知らない令嬢に絡まれたなら不安もあるかと思いますから。
行き帰り馬車まで護衛しますわ」

「そうね。あの日はお茶会後、報告があったり、アリシア様に聞き取りしたりで忙しかったし、そこまでは気が回らなかったものね
まさかセシル嬢を敵視する人が出てくるなんて」

そう言ってお姉様は溜め息をつかれた。

「私も終わった後に気を配ってなかった事を後悔してます。
確かにアリシア様と仲良くなったセシル様は目立ってしまったのかもしれませんね」

「お茶会後、何もなければいいですけど…
それも聞いてみましょうか」

感のいい人間なら、この前のお茶会に今まで社交界で見たこともない令嬢がアリシア様と仲良くしていれば、セシル様が候補として有力だと気付くかもしれなかった。

そして、私達よりそういった噂や気配に敏感な人間はこの王宮にいっぱいいる
もしかしたら、この事ももう耳に入っているかも…
エドワードの婚約者候補に加えられていても、おかしくないな。
もう一度そこも再調査だわ


まずは明日、しっかり王宮にいる間守る事。
それからこのところ接触してくる貴族はいないか聞く事。

これも大事よね。

ブレスレットを落としただけだと思ってるセシル様には悪いけどね。
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