王女殿下は家出を計画中

ゆうゆう

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残りの候補者

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お茶会会場は先程の殺伐とした出来事が嘘のように、皆さん和やかに過ごしています。

アリシア様とセシル様はあれからずっと一緒にいて、仲良くおしゃべりをしています。

いきなり戦友になったような感じですかね。

本当のアリシア様はとても穏やかな人なんでしょう。
それがあんな噂を流されて周りから敬遠されていた。
その上アリシア様の侍女が過保護なくらい彼女を守る為に張り付いていたから、余計孤立していたのかもしれなかった。

アリシア様とセシル様はいいお友達になれるといいな。


さてと、まだ残り2人の候補者と話してみないとね。

えーと先に見つけたから、カミラ様の所へ行ってみよ

残りのカトリーナ様にはさっきレオノーラ様を見張ってた侍女4に着いてもらうことにする。

私はカミラ様にこっそりさっきのミルビア魔法をかけて、近づく。

「あの、ご挨拶させてもらっていいですか?」
そう声をかけると、

カミラ様は微笑んで、頷く。
「はじめまして、ヴァレリー子爵の娘でミルビアといいます」

「カミラ・アドラムですわ
よろしくね」

「カミラ様は旅行記や探訪記などはお読みになりますか?
私はそう言った書物に興味があるのですが、私のよく行く町の図書館にはあまり見かけないのです」

「まあ、私もそのような本は好きでよく読みますよ。
そうですか町の図書館にはあまり置いてないのですか…
王立図書館へ足を運んでみるのはどうかしら?」

「あんな大きくて立派な図書館など、気後れしてしまって…」

「まあ、貴族ならどなたでも利用出来るのですから、大丈夫ですよ
私もよく行きますし、今度行ってみては?」

「ありがとうございます。
もしお見かけしたら、お声を掛けさせて頂けますか?」

「ええ、大抵午前中にいると思いますよ。
2階のソファー席にいるので声をかけてね、旅行記の本棚へ案内するわ」

「何だか、勇気が出てまいりました。
必ず行きます」

勢いのまま約束を取り付けてしまった。
まあ、話しは出来たし、カミラ様のこの対応は思った以上だ。
初めて会った子爵令嬢にまさか案内まで言い出すとは思わなかった。

これは後日会ってもう少し妃候補の話が聞ければ上出来だわ。

さて、次のカトリーナ様は何処かしら?
侍女4に連絡を入れれば、
《え?どういうこと?カトリーナ様がいない?》
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