王女殿下は家出を計画中

ゆうゆう

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私の魔法

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私の魔法は規格外。
まずは聖光魔法。その中でも、高難度のリバイブ(甦り)が使えます。これは寿命以外の病気やケガによって死んだ人を24時間以内なら生き返らせる事が出来ます。

ワイドリブロ(再生)これは半径10メートル位の場所にいる生物の欠損を直せます。
要は焼け野原と化した森は青々とした木々や草を生やした森に戻したり、人だったら、切り落とされた腕を戻したりって事が出来る。

とか…

他の属性も、火属性なら町ひとつ失くなる位の大爆発を起こすとか、風属性なら、山ひとつ禿げ山にする竜巻を起こすとか…
どれも規格外なパワーを出せる事が分かった。
分かったけど、やるつもりはない。
中身は27歳の常識ある大人だったからね。

ただ、自分の出来る魔法を認識すればする程、絶対に知られるわけにはいかなくなった。

こんなに巨大は魔力を持っていれば、国を動かし私の思うままに出来るんじゃない?
と思うかも知れないけれど、そんな面倒な事するのも、そのために人を操ったり、殺めたりするのも嫌だし、そもそも私の前世の常識が反対するの。

前世の常識的にそんな歪んだ形で国を支配してもやがて衰退したり、滅びたり、私の人生ロクな終わり方しないぞって。


なので、自分で自分の魔法を封印する方法も考えた。
で、新たにシール(封印)魔法を構築してみた。

これは、普通の封印とはちょっと違う。
私の魔力量を取り敢えず100こ位に分けてみて、1個づつ封印していく。
何か必要になったら、そこから必要なだけ、封印解除すればいいし、しないで済むならそのままね。
全部を封印しちゃうと、平民の生活魔法もやっとの状態までなくなっちゃうので、いつも1つだけ解除しておく。

この1つでも貴族10人分の魔力量より多いから、そこに違う魔法を重ねる。
ソレスト(休ませる)これを80%くらいの量にかける。
そうするとかけた分の魔力を関知されなくなる。

凪いだ海のように、ジッとうずくまる竜のように、
私の力はあるけど、ない状態にできる。

それでもまだ多いけどね。

あまり少なくても、いざと言う時身の危険は避けたい。
これでも危険とは背中合わせで日々送っていたことも事実なの。

そこら辺はまあいろいろとね。
またの機会に詳しく。


10歳くらいからは、魔道具なんかも作り始めたから、残りの魔法を隠したり、吸収させたり試行錯誤してきた。

魔道具作りは好き!
前世の記憶からもアイデアをだしなが、いろんな物を開発している。

開発したものや道具作りの材料、道具は全部ストレージ(保管)に入れておく。
私の空間魔法はいくつかある。
よく使うのはストレージ(保管)とスペース(空間)。
この2つはそれぞれ特性が違う。

ストレージ(保管)はそのまま保存、保管する目的で物を入れたり出したり出来る。
入れてある間は時間や環境に影響を受けないから、
例えば氷を仕舞って置いても、溶けることもなく、そのまま何年でも置いておける。
出すときもその物を思い浮かべて、念じるだけ。
なに入れたか忘れても、目録があるから便利。

スペース(空間)は私の作った異空間。
人や生き物も入れる(ストレージは生きてる物は収納できない)
中はとても広大でどこにいるか、分からなくなりそうなほど。
でも区切ったり建物を入れる事もできるから、ちょっとした部屋をいくつか作ってある。

図書室と実験室と、調理室、休憩室などなど。

これも少しずつ頑張って準備した成果。



今日はダミー(分身)をベッドで寝かせて、寝室のドアに開けられたらわかる、おまじないを1つ付けておく。

それからスペース(空間)に移動して、今日は作業部屋でワンピースを作成。
いつもドレスだから、平民が着ていそうな、飾りのないシンプルなワンピースを作っていく。
半分は魔法も使ってるから、そこまで大変じゃないしどんどん進む。
後はエプロン、下着、靴と、目立たない平民に見えるような物を心がけながらデザインしていく。

数時間はたったかも…
そろそろ戻りますか。

寝室に戻り、ダミー(分身)を消して、おまじないを解除して窓を見ると日が傾きかけていた。
ドアを叩く音がして侍女のエマリアが入ってくる。

「お加減はいかがですか?」

「ええ、落ち着いたわ」弱々しく微笑んで答える。

「お食事は食べれそうですか?本日はフレデリック殿下とシルビア殿下から、ご一緒にと伝言を頂いております」

「うれしいわ、食欲はあるからお兄様たちとご一緒します。」

「かしこまりました。ではお支度いたしましょうね」

エマリアが手をたたくと3人の侍女が入ってくる。


私は淡いオレンジのドレスに着替えさせられ、髪や化粧をされていく。

久しぶりの兄妹3人の晩餐に少なからず嬉しさを覚えた。






    
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