王女殿下は家出を計画中

ゆうゆう

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鑑定の結果、出来損ないです。

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洗礼式後から、今日に至るまで私は王族の癖に平民並みの魔力しかない、出来損ない王女として噂の的で失笑の対象となっています。


最初の頃はショックのあまり寝込んだ事にして、お茶会などにも出席せず、ひきこもっていました。


本来は12歳の洗礼式が終わった王族は公務に出ないといけないんだけど、そこも免除してもらった。


父様としては、取り敢えず落ち着くまでほっといてやろうと言う温情かな。

追放とかされなくて、よかった。
最悪そんな声があったら、どうしようかとも思っていたけど、体はまだ子どもだから、もう少しここを出るにしても、準備をさせてほしいしね。


半年後、王である父様に正式に謝罪した。
そして最低限の公務とお茶会をこなした。
表向きは、ひたすら出来損ないの自分を嘆いている、可哀想な王女を演じてきた。


そんな私を王城内の侍女や官僚や騎士は、同情的で好意的な人がほとんどだけど、たまに蔑んだように見る人や陰で悪意ある噂を流す人もいた。

その人たちは共通して第2側妃のイザベラ様の下で働いてる人だった。
そしてイザベラ様の息子のエドワードは事あるごとに
私を攻撃してきた。

「まさか、ここまで出来損ないだとは、同じ王族として俺まで傷物にされた気分だ。俺の火属性の魔力は絶大だ、その上風属性も遜色なく使える。父上と同じく偉大なんだ。その俺の偉大さにキズを付けやがって!」

知ったことか!しかも自分で自分を偉大って…
ホントにコイツはアホだ。
イザベラ様がバカみたいにエドワードを誉めるから、その気になっちゃって~ぷぷぷ。

エドワードの魔力は偉大でもなんでもなく、同じ年の貴族令息たちよりは少しすごいくらいで、新人の魔道士たちとかわらないくらいの魔力量なだけ。

2属性って言っても、風魔法に関してはホントに微々たるものだ。

フレデリック兄様に比べれば、月とスッポン
雲泥の差である。なんと言っても兄様は聖光魔法が使えるしっ!

まぁ私の事は土魔法がちょっと使えるだけ。だと思ってるから、兄様に勝てない鬱憤を私に八つ当たりしてるんだろうな。

それに、出来損ないだと思ってる私にマウントして優越感に浸ってるのだろう。

器の小さいヤローだ。

小さい頃はエドワードの言葉に凄く傷ついて、悲しみにくれてる演技をして、やり過ごしていたけど、

この頃それも面倒になってきちゃって、お年頃になって反抗期です。無視してやるってパターンに切り替え始めてるところ。



あと少し、あと少しの辛抱だ…
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