32 / 115
ナンシー・ガブリエルの店
しおりを挟む
馬車が着いたお店は… なんとこの国一と言われるナンシー・ガブリエルの店だった。
ここは王室御用達でもあり、デザイナー兼店主のガブリエル夫人に直接会う事が出来るのは、王妃、王女の他は数人の限られた高位貴族の夫人や令嬢だけと言われている上、お店を利用出来る人も選ばれた貴族のみだとか。
私には一生縁のない所だと思っていました。
「あの、アンネマリー様。
ここは選ばれた貴族のみ入れるお店ですよね?
私の様な者が来る場所ではないと思うのですが…」
「何を言っていますの?
ステラ様は我が家のお客様なのですよ。
それにガブリエル夫人と公爵家は昔からの付き合いですから、何も心配ないですわ」
そう言うとアンネマリー様はお店に入るように促します。
おずおずとお店へ足を踏み入れれば、そこは見た事もないほど、きらびやかで色とりどりな色彩が織り成す世界でした。
とても大きなお店のフロアは色のグラデーションが出来る様にドレスが並べられた場所があったり、いくつかのトルソーにかけられたドレスがまるで踊っているように飾られてあったり、
天井から数え切れないほどの帽子が吊るされていたり、右を見ても左見ても色!色!色!
こんなに凄いお店見たことがなかった。
私は腰が抜けるかと思うほど呆気にとられて大きな口を開けてポカーンとしてしまった。
「ステラ様? 大丈夫ですか?
ステラ様!」
腕を掴まれて我に返る。
「はっ! す、すいません
雰囲気に飲まれてしまって…」
「初めて来られる方は皆そうですわ。
それがガブリエル夫人の狙いですもの」
とアンネマリー様は面白そうに笑った。
ここは王室御用達でもあり、デザイナー兼店主のガブリエル夫人に直接会う事が出来るのは、王妃、王女の他は数人の限られた高位貴族の夫人や令嬢だけと言われている上、お店を利用出来る人も選ばれた貴族のみだとか。
私には一生縁のない所だと思っていました。
「あの、アンネマリー様。
ここは選ばれた貴族のみ入れるお店ですよね?
私の様な者が来る場所ではないと思うのですが…」
「何を言っていますの?
ステラ様は我が家のお客様なのですよ。
それにガブリエル夫人と公爵家は昔からの付き合いですから、何も心配ないですわ」
そう言うとアンネマリー様はお店に入るように促します。
おずおずとお店へ足を踏み入れれば、そこは見た事もないほど、きらびやかで色とりどりな色彩が織り成す世界でした。
とても大きなお店のフロアは色のグラデーションが出来る様にドレスが並べられた場所があったり、いくつかのトルソーにかけられたドレスがまるで踊っているように飾られてあったり、
天井から数え切れないほどの帽子が吊るされていたり、右を見ても左見ても色!色!色!
こんなに凄いお店見たことがなかった。
私は腰が抜けるかと思うほど呆気にとられて大きな口を開けてポカーンとしてしまった。
「ステラ様? 大丈夫ですか?
ステラ様!」
腕を掴まれて我に返る。
「はっ! す、すいません
雰囲気に飲まれてしまって…」
「初めて来られる方は皆そうですわ。
それがガブリエル夫人の狙いですもの」
とアンネマリー様は面白そうに笑った。
0
お気に入りに追加
530
あなたにおすすめの小説
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった
岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】
「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」
シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。
そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。
アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。
それだけではない。
アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。
だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。
そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。
なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。
悪役令嬢の逆襲~バッドエンドからのスタート
結城芙由奈
ファンタジー
重要ミッション!悪役令嬢になってバッドエンドを回避せよ!
バッドエンドを迎えれば、ゲームの世界に閉じ込められる?!その上攻略キャラの好感度はマイナス100!バーチャルゲームの悪役令嬢は色々辛いよ
<完結済みです>
婚約破棄されたおっとり令嬢は「実験成功」とほくそ笑む
柴野
恋愛
おっとりしている――つまり気の利かない頭の鈍い奴と有名な令嬢イダイア。
周囲からどれだけ罵られようとも笑顔でいる様を皆が怖がり、誰も寄り付かなくなっていたところ、彼女は婚約者であった王太子に「真実の愛を見つけたから気味の悪いお前のような女はもういらん!」と言われて婚約破棄されてしまう。
しかしそれを受けた彼女は悲しむでも困惑するでもなく、一人ほくそ笑んだ。
「実験成功、ですわねぇ」
イダイアは静かに呟き、そして哀れなる王太子に真実を教え始めるのだった。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
【完結】義母が斡旋した相手と婚約破棄することになりまして。~申し訳ありませんが、私は王子と結婚します~
西東友一
恋愛
義母と義理の姉妹と暮らしていた私。
義母も義姉も義妹も私をイジメてきて、雑用ばかりさせてきましたが、
結婚できる歳になったら、売り払われるように商人と結婚させられそうになったのですが・・・・・・
申し訳ありませんが、王子と結婚します。
※※
別の作品だと会話が多いのですが、今回は地の文を増やして一人の少女が心の中で感じたことを書くスタイルにしてみました。
ダイジェストっぽくなったような気もしますが、それも含めてコメントいただけるとありがたいです。
この作品だけ読むだけでも、嬉しいですが、他の作品を読んだり、お気に入りしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
処刑直前ですが得意の転移魔法で離脱します~私に罪を被せた公爵令嬢は絶対許しませんので~
インバーターエアコン
恋愛
王宮で働く少女ナナ。王様の誕生日パーティーに普段通りに給仕をしていた彼女だったが、突然第一王子の暗殺未遂事件が起きる。
ナナは最初、それを他人事のように見ていたが……。
「この女よ! 王子を殺そうと毒を盛ったのは!」
「はい?」
叫んだのは第二王子の婚約者であるビリアだった。
王位を巡る争いに巻き込まれ、王子暗殺未遂の罪を着せられるナナだったが、相手が貴族でも、彼女はやられたままで終わる女ではなかった。
(私をドロドロした内争に巻き込んだ罪は贖ってもらいますので……)
得意の転移魔法でその場を離脱し反撃を始める。
相手が悪かったことに、ビリアは間もなく気付くこととなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる