婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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谷を守る

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私達はゲルドー領にもどり、パドック様に報告しました。

「なんと、神獣様がこれを」
パドック様は魔石を見て驚いています。

「はい、今回世話になったからとおっしゃって。
結局の所神獣様がご自分でしっかり仇は打てていたと言ったんですけどね」

パドック様は魔石を、取り出しじっくり鑑定しています。

「すごい、これ程の純度が高く力の強い魔石は初めてみました。
これなら従来の物より小さい魔石でいろんな事が出来そうです。
それに長持ちしそうだ」

この国ではいろんな魔道具が使われていて、その使用に魔石が使われるが、魔石が豊富に採集されているわけではないので、使えるのは貴族が殆どなのだ。
それでも平民たちにも魔石を使ったランプなどは徐々に普及していた。

魔石の量が少しでよければ、その分多くの魔道具を作れるし、使える人も増えるだろう。

「それと神獣様からあの最果ての山の存在の意味を教えてもらいました」

「存在の意味?」

私は神獣様が守った魔石の谷が後ろにそびえている山に力を注ぎ大きな守りの力を発揮している事。
その守りの力で何倍にも大きな壁のようになって向こう側の海の脅威を防いでいる事を話します。

「巨大な津波… 」

「はい、もしもあの山がなければ、この国は津波に飲み込まれなくなると言われました。
そしてその守りを強固に大きくしているのが魔石の谷なのだそうです」

「そんな真実があったのか…」

「だから、魔石の谷の存在を知ってしまった私達や国王陛下にどうか魔石の谷を守っていく重要性を理解して欲しいと言われました」

「そだったのか… 確かにこれだけ純度が高い魔石が大量に眠っている谷があると知れば、森に入り込むやつも出てくる可能性がある。
しかしそうなれば、ゲルドー男爵領の悲劇が繰り返される」

「はい、そしてもし谷にたどり着く者が現れ谷を荒らせば、この国は津波の脅威に晒されます」

「うーむ もし山が津波を防ぎきれなくなれば、この国は終わる」


「はい、だからこの魔石も使い方、報告が重要になってくると思います。
そしてパドック様がこの地を管理してくれる事になったからこそ、神獣様はこの事をお話されて谷を一緒に守って欲しいのだと思います」

私の話を聞いたパドック様はじっと考えてゆっくりと頷いた。
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