婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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最果ての地の真実

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「ゲルドー男爵領はこの森と後ろの山同様に国の管理下に置かれる事になりました。
神獣様の存在も明らかになりましたので森の結界を今まで以上に守っていかなければと言うことで、パドック様があの土地に魔法研究所の分室を作り管理してくれる事になったのです」

「おお、あの魔導士殿か。それは心強い」

「はい、パドック様からもこれからよろしくお願いいたします。と神獣様に伝言を受けてきました」

「そうか、ではエレーナこれを魔導士殿にも渡してくれ、そなたがここへ来た時と同じ様に入り口で我を呼んでくれれば話せるようにしよう」

そう言って私が持っている石と同じ様な赤い石を足元に置いてくれました。

「それと、これは今回の礼としてこの国と聖女に」
と言って大きめ麻袋を2つ渡されます。

私が持つには両手で持たないといけないほどの大きさの袋です。

中を覗くと輝く石が見えた。

「これは魔石ですか?」

「そうだ、この森の奥の魔石の谷から採った物だ。
今回この谷も守る事ができたからな。これはとても大事なことなのだ」

この高く尖った最果ての山はこの谷の魔石の力で本来の山の何倍もの高さと強さでこの地を守る働きをしているそうです。
もしも谷の魔石が荒らされてなくなると山の力も衰えて山の向こうの海が襲って来るそうです。

実は海から数年に1度大きな津波がやってくるらしくそれをあの山が守ってくれているとか。

「その様な事全く知りませんでした。
山の向こうに海と呼ばれる水の世界があると言うのも私達人間が見た訳ではなく全て言い伝えだと聞いていました」

「そうだな、自分で見る機会はないだろうな、ただその言い伝えは本当だ。
そしてあの山がなければ、この国は海に飲み込まれるだろう。
だからこそこの谷に手を出してはいけないのだ、その話をどうかこの国の王に伝えて置いてくれ」

「はい、神獣様に出会えていろいろな謎が解けて陛下も喜ばれるでしょう。
私が責任を持って伝え、この森と谷を大切に守るようにお願いしてきます」

「頼むぞエレーナ」

「はい、ですがその谷の魔石をもらってしまっていいのですか?」

「この程度では谷に風が少し吹いた程度の影響すらないから安心しろ」

谷の大きさを知らない私達には想像が出来ないけれど神獣様がそう言うのだから大丈夫なんだろうな。
でも、目の前にある魔石の量は多分この国で1年で見つかる量の何倍もありそうなんだけれど。

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