婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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崩壊

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その後、男爵家の者達は大騒ぎをして主夫婦を手当てして、医者を呼ぶも手の施し様がないと言われる。他の医者を連れて来ても結果は一緒だった。
近隣の領地まで足を伸ばし医者を連れて来るが、望んだ答えは得られなかった。

そのうち主夫婦の看病をしている者から体調を崩し始めた。

1人2人と倒れ病院へ担ぎ込まれた。
不思議な事に邸を離れて暫くすると、元気になった。

そのせいで使用人達の間で噂が立ち始めた。

男爵夫婦は禁断の森から呪いを持って帰って来た。
だから、体の傷や爛れが直ることがないと。

噂を信じて怖がり、主の側にいる事を恐れた者から次々と邸を後にして逃げ出した。

この噂を後押ししたのは、一緒に森へ討伐に行った兵士達が殆ど戻らなかった事実だった。

兵士達は、半分は神獣様の力に殺られ、半分は涌き出た魔物に殺られていた。

主夫婦の代わりに、指示を仰ぎたい側近達もいつの間にかいなくなっている。
彼らは、ゲルドー男爵領の関所の封鎖を解除して、関所にいた護衛騎士も一緒に連れて領地を出て行ったようだった。

神の使いであり、森の守護神である神獣様に手をだし、要はバチを当てられ瀕死の状態。
兵士は全滅。
自分達に仕えていた者達は次々に去り、いくつもの村と大勢の領民も失ったのだ。

私はパドック様の説明に言葉を失う。

「私達がここへ来なくても、ゲルドー男爵領はもう崩壊していたのですね」

「そう取る事も出来ますが、ここまで大事になってしまえば、我々か騎士団が動く事は避けられなかったでしょう」

「ゲルドー男爵とサリーナはどうなりましたか?」

「今、私の部下が彼らを見張っています。
動ける状態ではないので、逃げる事はないでしょう」

パドック様の部下達は強力な防御魔法を掛け直して事に当たっているそうです。
パドック様は騎士や兵士には体調が悪くなる前に邸から撤退させたと言いました。

「それでエレーナ様、申し訳ないのですが、私と一緒に男爵達の治療にあたってもらえませんか?
このまま死なれては、事の真相も分からないままですし、出来れば話せる程度に回復してもらえないと困るのです」

「それは当然私も知りたいですから、ご一緒します」
私はパドック様とカイルに聖女の魔力を使った防御魔法を施します。

普通の防御魔法より、呪いには強い筈です。

「では、行きましょう」

ついに顔を見れるのね。
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