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神獣様の怒り
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玄関から、パドック様が出てきました。
こちらへ歩いて来るパドック様に向かって私達も近付きます。
「パドック様、何だか男爵家の人少なくないですか?」
私は外に集められていた使用人達を見ながら聞いてみます。
「ええ、しかも護衛役の兵士は殆ど残っていないようです。
門番がいないから、変だとは思っていたんですけどね。
使用人も半分くらいに減ってるそうです」
「え? どうしてですか?」
「皆、呪いを恐れて逃げたのですよ。
それだけの事をしてしまったんですからね」
とはーぁと息を吐き出したパドック様。
「すみません、邸の空気が重くて。
神獣様の怒りの凄まじさを感じました。
我々が見ていた神獣様と同じ方がぶつけた呪いの攻撃とは思えないくらい恐ろしいものです」
「どういう事ですか?」
邸の中は凄まじい怒りの気が渦巻いているらしい。
普通の人間にはただ重苦く感じる程度かも知れないが魔法に携わる者達には逆にその凄さが分かる分、自身に影響を及ぼさない様な防御魔法を掛けないと入れないくらいの状態だそう。
神獣様があまりにも淡々と話をしてくれたので、私達はサリーナと神獣様の対決の様子を見誤ったようだ。
森を汚した事、自らを捕まえようとした愚かな行いをする人間に対して神獣様は凄まじい程の怒りを攻撃としてサリーナにぶつけた様だった。
それによりサリーナは傷以外に呪いとなった神獣様の怨みの念も受けたのだ。
それは周りにいた者にも波及した。
ゲルドー男爵と、サリーナは魔法で自分達を守っていた。
ゲルドー男爵に至っては防御用の魔道具も使って自分の身だけを守っていた。
だから、神獣様の攻撃をまともに食らっても、何とか逃げられた。
しかし周りの兵士はその場で半分以上がぶっ飛ばされて跡形もなくなった。
それを目撃した後方にいた者達もその恐ろしさに逃げ出した。
そして命からがら逃げてきたサリーナとゲルドー男爵は邸に戻るともう動けなくなっていたのだ。
こちらへ歩いて来るパドック様に向かって私達も近付きます。
「パドック様、何だか男爵家の人少なくないですか?」
私は外に集められていた使用人達を見ながら聞いてみます。
「ええ、しかも護衛役の兵士は殆ど残っていないようです。
門番がいないから、変だとは思っていたんですけどね。
使用人も半分くらいに減ってるそうです」
「え? どうしてですか?」
「皆、呪いを恐れて逃げたのですよ。
それだけの事をしてしまったんですからね」
とはーぁと息を吐き出したパドック様。
「すみません、邸の空気が重くて。
神獣様の怒りの凄まじさを感じました。
我々が見ていた神獣様と同じ方がぶつけた呪いの攻撃とは思えないくらい恐ろしいものです」
「どういう事ですか?」
邸の中は凄まじい怒りの気が渦巻いているらしい。
普通の人間にはただ重苦く感じる程度かも知れないが魔法に携わる者達には逆にその凄さが分かる分、自身に影響を及ぼさない様な防御魔法を掛けないと入れないくらいの状態だそう。
神獣様があまりにも淡々と話をしてくれたので、私達はサリーナと神獣様の対決の様子を見誤ったようだ。
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ゲルドー男爵に至っては防御用の魔道具も使って自分の身だけを守っていた。
だから、神獣様の攻撃をまともに食らっても、何とか逃げられた。
しかし周りの兵士はその場で半分以上がぶっ飛ばされて跡形もなくなった。
それを目撃した後方にいた者達もその恐ろしさに逃げ出した。
そして命からがら逃げてきたサリーナとゲルドー男爵は邸に戻るともう動けなくなっていたのだ。
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