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本当の性格
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モンテディオと神獣様の森の境まできました。
「ここが神獣の森と最果ての山か…」
カイルが横で海原の様に広がる森とその後ろにそびえ立つ山と言うには鋭利な山影をながめていた。
私も絵でしか見た事ない山が見れてちょっと感動です。
さすがに私を1人では行かせられないと言うパドック様とカイル。
ルイさんまで説得して来るので2人でここまで来ました。
現実的に歩ける距離ではなく、私は馬に1人で乗れないから、結局はカイルが一緒に来てくれないと、どうにもならなかったんですけどね。
気持ちだけは、1人でもやってやる!みたいな感じでした。
「エレーナは出会った頃より逞しくなったよね」
積極的に行動している私を見てカイルにもそんな風に言われて、確かに自分でもずいぶん変わったなぁ~って思ってしまいました。
婚約破棄された頃、家族であるお父様からも見放されて、自分は必要のない娘だと全てを諦めた。
そして自分は暗くて可愛くない何もできない誰にも愛されないつまらない存在なんだと思っていた。
でも、今思い返すとそれはそう思わされていただけで、私の性格ではなかった。
お母様が生きていた頃まだ家族3人幸せだったあの頃の私は貴族の娘にしてはお転婆で好奇心も旺盛。
いつもお母様も困らせていた程だった。
それが婚約者が決まり、最初こそ仲良く出来るように手を尽くしていたけれど、何をやっても認めてくれない相手にあきらめてしまった。
そのうちお父様が再婚してどんどん様子がおかしくなり、自分を無視し出した。
一番身近にいる父親と婚約者にひどい言葉を投げ掛けられ、認めて貰えない自分をいつしか嫌いになり、もともとの性格すら分からなくなってしまっていたのだ。
きっと今の自分が本当の自分なんだと思う。
ここへ来るまでの馬上でカイルにそんな事を話した。
すると、カイルは
「最初に会ったエレーナはいつもどこか悲しげで何か未来をあきらめているように見えたよ。
だから、放って置けないと思った。
今の君は昔の辛かった思い出にも向き合い乗り越えて、そして自信に満ちていて違った意味で目が離せない」
と照れながら言ってくれた。
私も何だかくすぐったい様な居たたまれないような気分だったけど、いつもどんな私でも認めてくれているカイルの言葉は嬉しかった。
「ここが神獣の森と最果ての山か…」
カイルが横で海原の様に広がる森とその後ろにそびえ立つ山と言うには鋭利な山影をながめていた。
私も絵でしか見た事ない山が見れてちょっと感動です。
さすがに私を1人では行かせられないと言うパドック様とカイル。
ルイさんまで説得して来るので2人でここまで来ました。
現実的に歩ける距離ではなく、私は馬に1人で乗れないから、結局はカイルが一緒に来てくれないと、どうにもならなかったんですけどね。
気持ちだけは、1人でもやってやる!みたいな感じでした。
「エレーナは出会った頃より逞しくなったよね」
積極的に行動している私を見てカイルにもそんな風に言われて、確かに自分でもずいぶん変わったなぁ~って思ってしまいました。
婚約破棄された頃、家族であるお父様からも見放されて、自分は必要のない娘だと全てを諦めた。
そして自分は暗くて可愛くない何もできない誰にも愛されないつまらない存在なんだと思っていた。
でも、今思い返すとそれはそう思わされていただけで、私の性格ではなかった。
お母様が生きていた頃まだ家族3人幸せだったあの頃の私は貴族の娘にしてはお転婆で好奇心も旺盛。
いつもお母様も困らせていた程だった。
それが婚約者が決まり、最初こそ仲良く出来るように手を尽くしていたけれど、何をやっても認めてくれない相手にあきらめてしまった。
そのうちお父様が再婚してどんどん様子がおかしくなり、自分を無視し出した。
一番身近にいる父親と婚約者にひどい言葉を投げ掛けられ、認めて貰えない自分をいつしか嫌いになり、もともとの性格すら分からなくなってしまっていたのだ。
きっと今の自分が本当の自分なんだと思う。
ここへ来るまでの馬上でカイルにそんな事を話した。
すると、カイルは
「最初に会ったエレーナはいつもどこか悲しげで何か未来をあきらめているように見えたよ。
だから、放って置けないと思った。
今の君は昔の辛かった思い出にも向き合い乗り越えて、そして自信に満ちていて違った意味で目が離せない」
と照れながら言ってくれた。
私も何だかくすぐったい様な居たたまれないような気分だったけど、いつもどんな私でも認めてくれているカイルの言葉は嬉しかった。
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