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嫌なつながり
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買い物を終えて店を出ると、カイルが何やら考え込んでいます。
「どうしたの?カイル」
「キムさんの話が引っ掛かっていたんだ。何となく我々に関係しているんじゃないかって」
「私も少し気になったの。
帰ったらパドック様にも報告しましょう」
先程私が考えていた事をカイルも考えていたようです。
「そうだな。帰って3人でまた話し合おう。
次はどうする?」
「そうね~ カイルは何かないの?」
「んー、小刀が欲しいくらいかな?
今持ってるの欠けてたんだけど、気が付かないで持って来てしまったんだ」
「じゃあ行ってみようよ。
道具屋さん?武器屋さん?」
「あっ、そこに武器屋がある。
あそこに行こう」
キムさんの店から三軒先にあった武器屋に向かいます。
「いらっしゃい」
カウンターにいたのは見るからにガタイのいい男だった。
この人もキムさんみたいに冒険者なのかしら?
でも、冒険者にしては体は立派だけど、雰囲気がやさしいと言うか、緊張感がないというか。
「やあ、何を探してるんだい?」
気さくに聞いてくる。
「実は小刀が欠けてしまって、代わりを探してる」
カイルは小刀を見せて言います。
「ちょっとよく見せて貰ってもいいか?」
そう言って手を出す。
カイルが小刀を渡すとまじまじとそれを眺めている。
「数日くれれば、新しいの探さなくても磨き直してやるよ」
「そうしたいのは山々だが、明日から郊外に行くんだ。
それはそのまま預けて行くから、もう1つ何か見繕ってくれないか」
とカイルが提案を半分応じます。
「そうか、ちょっと待ってろ」
店主は後ろの引き出しを開けて、幾つかの小刀を出してきた。
「旦那が持ってた小刀の代わりとなるとうちにあるのはこのくらいしかないよ。
これ以上の物はそうそう売れないからな」
どうもカイルが持っていた小刀が上等な物だったからそれに匹敵する物は置いてないらしい。
カイルは何も言わず出された小刀から1つ選んでいたが本人はきっと使えればいいくらいに思っていそうだ。
店主は本当にそれでいいのかと確認している。
カイルの持ち物より数段ランクが落ちるらしいがカイルは気にしていない。
「すまないな、ちょっと前までもう少し種類も豊富に置いていたんだか、今は鉄鉱石が余り入ってこなくなっていて、剣を作る分も足りない有り様なんだ」
お金を受け取り、預り証を渡しながら店主は言い訳をするように言った。
「鉄鉱石が入って来なくなったのかい?」
カイルが聞き直します。
「ああ、ゲルドー領の鉱山からの鉄鉱石が入って来なくなってるんだ。
どうもゲルドー領は今閉鎖状態らしい」
!?
またゲルドー領…
いったい何が起きているの?
「どうしたの?カイル」
「キムさんの話が引っ掛かっていたんだ。何となく我々に関係しているんじゃないかって」
「私も少し気になったの。
帰ったらパドック様にも報告しましょう」
先程私が考えていた事をカイルも考えていたようです。
「そうだな。帰って3人でまた話し合おう。
次はどうする?」
「そうね~ カイルは何かないの?」
「んー、小刀が欲しいくらいかな?
今持ってるの欠けてたんだけど、気が付かないで持って来てしまったんだ」
「じゃあ行ってみようよ。
道具屋さん?武器屋さん?」
「あっ、そこに武器屋がある。
あそこに行こう」
キムさんの店から三軒先にあった武器屋に向かいます。
「いらっしゃい」
カウンターにいたのは見るからにガタイのいい男だった。
この人もキムさんみたいに冒険者なのかしら?
でも、冒険者にしては体は立派だけど、雰囲気がやさしいと言うか、緊張感がないというか。
「やあ、何を探してるんだい?」
気さくに聞いてくる。
「実は小刀が欠けてしまって、代わりを探してる」
カイルは小刀を見せて言います。
「ちょっとよく見せて貰ってもいいか?」
そう言って手を出す。
カイルが小刀を渡すとまじまじとそれを眺めている。
「数日くれれば、新しいの探さなくても磨き直してやるよ」
「そうしたいのは山々だが、明日から郊外に行くんだ。
それはそのまま預けて行くから、もう1つ何か見繕ってくれないか」
とカイルが提案を半分応じます。
「そうか、ちょっと待ってろ」
店主は後ろの引き出しを開けて、幾つかの小刀を出してきた。
「旦那が持ってた小刀の代わりとなるとうちにあるのはこのくらいしかないよ。
これ以上の物はそうそう売れないからな」
どうもカイルが持っていた小刀が上等な物だったからそれに匹敵する物は置いてないらしい。
カイルは何も言わず出された小刀から1つ選んでいたが本人はきっと使えればいいくらいに思っていそうだ。
店主は本当にそれでいいのかと確認している。
カイルの持ち物より数段ランクが落ちるらしいがカイルは気にしていない。
「すまないな、ちょっと前までもう少し種類も豊富に置いていたんだか、今は鉄鉱石が余り入ってこなくなっていて、剣を作る分も足りない有り様なんだ」
お金を受け取り、預り証を渡しながら店主は言い訳をするように言った。
「鉄鉱石が入って来なくなったのかい?」
カイルが聞き直します。
「ああ、ゲルドー領の鉱山からの鉄鉱石が入って来なくなってるんだ。
どうもゲルドー領は今閉鎖状態らしい」
!?
またゲルドー領…
いったい何が起きているの?
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