婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

文字の大きさ
上 下
127 / 178

魅了魔法を憎む気持ち

しおりを挟む
本当にお父様は魅了魔法によって人格も変えられ操られていたのね。

パドック様と魅了魔法について話し合った事がある。
パドック様はバイロン殿下に掛けられた魅了魔法は軽かったがお父様に掛けられていた魔法は随分と強力なものだったと教えてくれた。
その違いはもともと私に対する気持ちの差だったのではないかとパドック様は考えていた。

バイロン殿下はもともと私の事が気に入らなかった。
その気持ちを増長させるのはそんなに大変ではない。

しかし、愛するもの、大切なものを嫌いにして憎ませるとなると途方もなく大きな力と時間がかかった筈だと言うのがパドック様の出した結論なのだ。

私はパドック様の言いたい事は何となく分かったがその時はそれだけだった。

しかしお父様の様子を自分の目で見てパドック様の言った事がその通りだと確信した。
そして義妹に対してと言うか、魅了魔法に対して怒りが汲み上げてきた。

私達親子の数年間を奪われてしまった事。
父にしなくてもいい罪悪感を持たせてしまった事。
それが悔しくもあり、憎くもあった。

「お父様、私はもう大丈夫です。
あまり自分を責めないで下さい。
ゆっくりお話したいのだけれど、今はやるべき事がございます。
神獣様とのお約束を果たさねばなりません。
それが終わったらゆっくり親子で過ごしましょう」

「エレーナ… 随分大人になったな。
神獣様と言うのはお前の後ろにいるものか?
まさか神獣が本当にいるなんて…」

「神獣様も本物ですし、聖女も本物です」

私はあえて髪の色だけ虹に輝く蜂蜜色の髪に変えます。

「私が聖女に覚醒した証拠です」

「おお 本当にお前が聖女に…」
目を見開き驚く父親に微笑み、そして国王陛下に向き直る。

「ご覧の通り、私は聖女として戻って参りました。
ですので神獣様と一緒にこの国の危機を救いに行きます。
神獣様の話だと、あの森に邪な心を持って入り聖なる力に触れれば邪悪な力が溢れ魔物が大量に生まれる事になってしまいます。
なんとしてもそれは避けないとなりません」

「なんと、あの森にその様な秘密が…
分かった。
エレーナ、パドック2人にこの件を任せる。
必要なものや人材はいくらでも出す。
何としてもこの国を救ってくれ。

カイラード殿下この様な事に巻き込み申し訳ない」
国王陛下は全てに許可を与えてくれました。
そして隣国にまで迷惑をかけるとカイルに謝ります。

「いえ、我が国はいつでも聖女と共にあります。
それに、もしその森で異変が起きてしまった場合我が国も無事では済まないでしょう。
力を貸すことは当然です」
カイルが答えました。

ありがとうカイル。
さあ、ゲルドー領に行く準備に入りましょう
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前世の記憶がある伯爵令嬢は、妹に籠絡される王太子からの婚約破棄追放を覚悟して体を鍛える。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!

さこの
恋愛
 婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。  婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。  100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。  追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?

欲しいというなら、あげましょう。婚約破棄したら返品は受け付けません。

キョウキョウ
恋愛
侯爵令嬢のヴィオラは、人の欲しがるものを惜しみなく与える癖があった。妹のリリアンに人形をねだられれば快く差し出し、友人が欲しがる小物も迷わず送った。 「自分より強く欲しいと願う人がいるなら、譲るべき」それが彼女の信念だった。 そんなヴィオラは、突然の婚約破棄が告げられる。婚約者である公爵家の御曹司ルーカスは、ヴィオラを「無能」呼ばわりし、妹のリリアンを新たな婚約者に選ぶ。 幼い頃から妹に欲しがられるものを全て与え続けてきたヴィオラだったが、まさか婚約者まで奪われるとは思ってもみなかった。 婚約相手がいなくなったヴィオラに、縁談の話が舞い込む。その相手とは、若手貴族当主のジェイミーという男。 先日ヴィオラに窮地を救ってもらった彼は、恩返しがしたいと申し出るのだった。ヴィオラの「贈り物」があったからこそ、絶体絶命のピンチを脱することができたのだと。 ※設定ゆるめ、ご都合主義の作品です。 ※カクヨムにも掲載中です。

【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?

鏑木 うりこ
恋愛
 父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。 「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」  庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。  少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *) HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい! 色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー! ★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!  これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい! 【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

【完結】恋人にしたい人と結婚したい人とは別だよね?―――激しく同意するので別れましょう

冬馬亮
恋愛
「恋人にしたい人と結婚したい人とは別だよね?」 セシリエの婚約者、イアーゴはそう言った。 少し離れた後ろの席で、婚約者にその台詞を聞かれているとも知らずに。 ※たぶん全部で15〜20話くらいの予定です。 さくさく進みます。

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります

秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。 そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。 「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」 聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。

【完結】断罪後の悪役令嬢は、精霊たちと生きていきます!

らんか
恋愛
 あれ?    何で私が悪役令嬢に転生してるの?  えっ!   しかも、断罪後に思い出したって、私の人生、すでに終わってるじゃん!  国外追放かぁ。  娼館送りや、公開処刑とかじゃなくて良かったけど、これからどうしよう……。  そう思ってた私の前に精霊達が現れて……。  愛し子って、私が!?  普通はヒロインの役目じゃないの!?  

処理中です...