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魅了魔法を憎む気持ち
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本当にお父様は魅了魔法によって人格も変えられ操られていたのね。
パドック様と魅了魔法について話し合った事がある。
パドック様はバイロン殿下に掛けられた魅了魔法は軽かったがお父様に掛けられていた魔法は随分と強力なものだったと教えてくれた。
その違いはもともと私に対する気持ちの差だったのではないかとパドック様は考えていた。
バイロン殿下はもともと私の事が気に入らなかった。
その気持ちを増長させるのはそんなに大変ではない。
しかし、愛するもの、大切なものを嫌いにして憎ませるとなると途方もなく大きな力と時間がかかった筈だと言うのがパドック様の出した結論なのだ。
私はパドック様の言いたい事は何となく分かったがその時はそれだけだった。
しかしお父様の様子を自分の目で見てパドック様の言った事がその通りだと確信した。
そして義妹に対してと言うか、魅了魔法に対して怒りが汲み上げてきた。
私達親子の数年間を奪われてしまった事。
父にしなくてもいい罪悪感を持たせてしまった事。
それが悔しくもあり、憎くもあった。
「お父様、私はもう大丈夫です。
あまり自分を責めないで下さい。
ゆっくりお話したいのだけれど、今はやるべき事がございます。
神獣様とのお約束を果たさねばなりません。
それが終わったらゆっくり親子で過ごしましょう」
「エレーナ… 随分大人になったな。
神獣様と言うのはお前の後ろにいるものか?
まさか神獣が本当にいるなんて…」
「神獣様も本物ですし、聖女も本物です」
私はあえて髪の色だけ虹に輝く蜂蜜色の髪に変えます。
「私が聖女に覚醒した証拠です」
「おお 本当にお前が聖女に…」
目を見開き驚く父親に微笑み、そして国王陛下に向き直る。
「ご覧の通り、私は聖女として戻って参りました。
ですので神獣様と一緒にこの国の危機を救いに行きます。
神獣様の話だと、あの森に邪な心を持って入り聖なる力に触れれば邪悪な力が溢れ魔物が大量に生まれる事になってしまいます。
なんとしてもそれは避けないとなりません」
「なんと、あの森にその様な秘密が…
分かった。
エレーナ、パドック2人にこの件を任せる。
必要なものや人材はいくらでも出す。
何としてもこの国を救ってくれ。
カイラード殿下この様な事に巻き込み申し訳ない」
国王陛下は全てに許可を与えてくれました。
そして隣国にまで迷惑をかけるとカイルに謝ります。
「いえ、我が国はいつでも聖女と共にあります。
それに、もしその森で異変が起きてしまった場合我が国も無事では済まないでしょう。
力を貸すことは当然です」
カイルが答えました。
ありがとうカイル。
さあ、ゲルドー領に行く準備に入りましょう
パドック様と魅了魔法について話し合った事がある。
パドック様はバイロン殿下に掛けられた魅了魔法は軽かったがお父様に掛けられていた魔法は随分と強力なものだったと教えてくれた。
その違いはもともと私に対する気持ちの差だったのではないかとパドック様は考えていた。
バイロン殿下はもともと私の事が気に入らなかった。
その気持ちを増長させるのはそんなに大変ではない。
しかし、愛するもの、大切なものを嫌いにして憎ませるとなると途方もなく大きな力と時間がかかった筈だと言うのがパドック様の出した結論なのだ。
私はパドック様の言いたい事は何となく分かったがその時はそれだけだった。
しかしお父様の様子を自分の目で見てパドック様の言った事がその通りだと確信した。
そして義妹に対してと言うか、魅了魔法に対して怒りが汲み上げてきた。
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あまり自分を責めないで下さい。
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「神獣様も本物ですし、聖女も本物です」
私はあえて髪の色だけ虹に輝く蜂蜜色の髪に変えます。
「私が聖女に覚醒した証拠です」
「おお 本当にお前が聖女に…」
目を見開き驚く父親に微笑み、そして国王陛下に向き直る。
「ご覧の通り、私は聖女として戻って参りました。
ですので神獣様と一緒にこの国の危機を救いに行きます。
神獣様の話だと、あの森に邪な心を持って入り聖なる力に触れれば邪悪な力が溢れ魔物が大量に生まれる事になってしまいます。
なんとしてもそれは避けないとなりません」
「なんと、あの森にその様な秘密が…
分かった。
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必要なものや人材はいくらでも出す。
何としてもこの国を救ってくれ。
カイラード殿下この様な事に巻き込み申し訳ない」
国王陛下は全てに許可を与えてくれました。
そして隣国にまで迷惑をかけるとカイルに謝ります。
「いえ、我が国はいつでも聖女と共にあります。
それに、もしその森で異変が起きてしまった場合我が国も無事では済まないでしょう。
力を貸すことは当然です」
カイルが答えました。
ありがとうカイル。
さあ、ゲルドー領に行く準備に入りましょう
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