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父との再会

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「はい。私が神獣様に頼まれましたし、今の私は侯爵令嬢ではなく聖女として戻って参りましたので、このような事は見過ごせません」
そう言う私を国王陛下は驚きの目で見ています。

「失礼します」
突然声が聞こえて、入ってきたのはパシュレーヌ侯爵だった。

「お父様…」
エレーナは突然現れた父親を見て、過去の記憶が甦ってきた。

いくらパドック様やルネさんの話で昔の父に戻っていると言われても、いざ目の前にすると、緊張するのが分かった。

「ゲルハルト国王陛下にご挨拶申し上げます」

パシュレーヌ侯爵は国王へ挨拶する

「おお、パシュレーヌ来たか。
そなたの娘が無事に戻ったぞ」
国王陛下にそう言われて、初めてエレーナに向き合った侯爵は、彼女の顔を見ながら震える声で呟いた。

「エレーナ… 」

その時、エレーナは父と目があった。
その目は遥か昔まだ家族2人で支え合っていた頃の父の様な優しいものだった。

「お父様、お久しぶりでごさいます」
エレーナは父の目の優しさに背中を押され声を出すことが出来た。

「すまなかったエレーナ。
お前を守り育てるとシェリーと約束したのに、私はなんて愚かな事をしてしまったのだろう。
もう少しでお前の命さえも危うくしてしまうところだった」
そこまで言うと膝をついてしまった侯爵。

とっさにエレーナは父の元へ駆け寄り抱き起こそうと手を差し出した。
それを見た侯爵はエレーナの手を握り
「ちゃんと顔を見せておくれ、もう何年もお前の顔を見ていなかった気がするんだ。
私はベルダ達が家に来た頃からの記憶があまりないのだよ」
とパシュレーヌ侯爵が涙を浮かべた目でエレーナを見る。

エレーナはその話を聞いてある事が確信に変わった。
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