婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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治癒

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私は引き続き心眼を使い神獣の体を隅々まで見ていきます。

気の流れは体の中を無数の光の糸の様に身体中を駆け巡っています。
それが全く動いておらず、いくつかの場所で分断されてその周りでズタズタにされています。

私はその分断されている場所を1つ1つ修復していきます。

修復する途中パドック様が言われた呪文の痕跡が残っている所をいくつか見つけました。

呪文の痕跡を私の力で包み取り除くと証拠として光の玉に記憶させました。
同時進行でどんどん気の流れを繋ぎ合わせました。
後は動きを復活させれば元通り。

全て繋ぎ終わった頃、パドックの最後の解呪も終わったようです。

「エレーナ様終わりました。
解呪してマナを止めて蓋のような作用をしていた呪文は取り除けました。
後はマナを呼び起こせば元に戻るでしょう」

「私もよ。後は気の動きを戻せばいいだけ。
じゃあ同時にいきますか」

「はい」

「せーの はい!」

ドン! と大きな音と共に光の柱が上がる。

さすが神獣のマナだわ、半端ないエネルギーです。
そして目覚めた神獣は先程の何倍も神々しく目の前にいた。

「感謝する、聖女よ。
我一人ではもうどうにもならない状態になって力も出せずにいた。
最後の力で泉を止めてここでそなたを待っていたのは1つの賭けだったのだ」

「なぜ、こんな死にそうな状態になってしまったのですか?
マナにも気の流れにも呪文が掛けられていたし、背中大きな怪我も普通の人間がつけられるような物ではなかった」
そう私は聞いてみた。

「聞いてくれるだろうか…
私の話をアランソルのある領地で起こった事を」

「アランソルですって、神獣あなたはアランソルからやって来たのか?」
パドックが驚いて聞きます。

「そうだ魔導士よ。我はアランソルの北の森を守っていた神獣だ」


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