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ある思い付き

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私と大叔母様はバイロン様の後ろ姿を見送りながら小声で話します。

「大丈夫ですか? セシリア」

「はい、 何でしょうね。
わざわざこんなところまで入って来て」

「話って何だったのですか?」


「ああ、何か告白されたんですけど… 返事は何もしてません。
どう対応しようかと思っていたら、大叔母様が来てくれたのです」

「あらあら、随分とせっかちさんですね。 あの方はそんなに積極的な情熱家だったのですか?」

「まさか! あまりに印象が違ってこちらが驚いています。
勝手に盛り上がっていい迷惑です」


「手厳しいわね。
まあ、エレーナにした事を考えれば、同情は出来ないけれど。
とりあえず部屋でお茶でもしましょう。
喉が乾いたでしょう?」

緊張したし冷や汗もかいたみたい…
言われてみれば、喉がカラカラです。


サロンでのんびりお茶を頂いて、先程の事を思い返してみます。

バイロン様は大叔母様やカイルが言う通りセシリアの見た目に一目惚れしていたみたいです。

リリアーヌの見た目に騙されて人生を棒に振ったのに、懲りない人だわ。

ふと、私は意地悪な思い付きをしてしまった。

いや、意地悪ではなくこれは復讐かしら?

「どうしたの?黙り混んで」
大叔母様に声をかけられて、我に返りました。

「はっ、すいません変な事考えてて」

「変な事?」

「実は…」
私は今思い付いてしまった自分のいたずらを話をします。

それを聞いた大叔母様は、笑い出した。

「面白いわね。
ねえ、この前私が言った事覚えてる?
エレーナとして1度アランソルに戻ってみれば?って言ったこと」

私は頷きます。
その事は私も考えていました。

「やっぱり、お父様とはもう一度会いたいし、話をしたいです」
それを聞いた大叔母様は優しく微笑み同意してくれました。

「なら、あなたの考えた事を実行してみましょうよ。
このままいつまでもあの人たちにうろうろされるのも煩わしいし。
一矢報いる事が出来れば、少しはエレーナの気も済むでしょ?」
と言われました。

そうですね。バイロン様にただ謝られても、だから?って感じで許す気にはなりません。
だから、ちょっとした仕返しが出来るなら少しは気も晴れるでしょう。

私と大叔母様は計画を練り始めました。






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