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バイロン視点

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「どこへ行っていたのです?バイロン」
小屋に帰るとパドックが聞いて来る。

「教会に行ってきた」

「またですか? 何をしに?」

私はこの前見かけたハニーブロンドの君の話をした。

私が教会に行ったのはエレーナを探しに行った訳ではなく、彼女にもう一度会いたかったからだと。

結局会えずに帰って来てしまったが、どうしても諦めきれず教会に戻り、彼女の事を聞いた事。
今日彼女はいなくて、2日後に聖女様に会って彼女に会う許可を貰うのだと言う事を話した。

じっと黙って聞いていたパドックが深いため息を漏らした。

「まったく、このところ随分と大人しく何やら考えているとは思っていましたが…
バイロン、あなた自分の置かれている立場を分かっていますか?」

「立場?」

「そうです。最初に言いましたよね? あなたはもう王子でもなく、貴族ですらないのです。
そして今回、エレーナを連れ帰る事で今まで犯した罪を軽減されるかどうかの瀬戸際なのですよ?」

「そんな事は… 分かって‥いるさ…」
本当はすっかり忘れていた。

私の頭の中はハニーブロンドの君の事で一杯なんだ仕方がないだろ。


「その女性に会ってどうするつもりです? 
愛の告白でもするのですか?
随分とお気楽なものだ」
パドックは呆れ顔で言います。

「う…」

だけど、だけど、私は何が何でも彼女にもう一度会いたいのだ。
そのためには2日後聖女に会いにいく。

「まあ、いいでしょう。
結果的にはもう一度聖女様に会う手筈を整えてくれた訳ですし、そのハニーブロンドの女性がどう言う人なのか確認する機会にもなりますし…」

「そ、そうだろ? 
彼女が本当に聖女なのか聞けば、エレーナの事もわかるかもしれない」
私は急いで同意する。

「ふん、エレーナ嬢の事など忘れていたくせに。
リリアーヌ嬢を選んだ筈のあなたが違った美女に現を抜かす姿をエレーナ嬢が見たら、どう思うでしょうね」

「う…」
パドックのやつ棘のある言い方をしてくる。
でも、2日後に聖女に会えないと言う事だけは避けなければ…

「取りあえず、2日後は私も行きますからね。
あなた1人に任せて暴走されては困りますから」

なに? パドックも一緒か…

いやいや彼女に会えるなら、何でもいいや。
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