68 / 178
自分の感覚
しおりを挟む
「セシリア、少しは休めたか?
シスターにお昼届けてって頼まれたよ」
1時間程した頃カイルが戻って来ました。
「ありがとう。少し眠ったら、バッチリよ」
「少しお腹に入れなよ。
美味しかったよ君の林檎で作ったアップルパイ」
カイルは野菜スープとアップルパイと暖かいミルクティーをお盆に乗せて運んできました。
「わあ、いい匂い。
お腹すいてたみたい」
「ゆっくり食べて、もうアイツらいないから心配しなくていいよ」
カイルは大叔母様がバイロン様達に声をかけた事や魔法がかかった栞を渡した事を教えてくれた。
「そう… 大叔母様はなんか言ってた?」
「そうだな… 一緒にいたのは、魔導師だって言ってたよ。
後は別になにも」
「そう」
大叔母様はバイロン様に何も思うところはないのかな?
「ねえ、カイル。
私もう元気になったし、バザーの手伝いに行きたい」
「今日はゆっくりしてた方がいいんじゃないか?」
「ううん、皆と一緒に動いている方がいいわ。
1人でいると考えすぎちゃうもの」
「そうか… わかった。
でも無理するなよ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「セシリア様、もういいのですか?」
バザーで私の代わりに林檎ジャムとクッキーを売っていたシスターロンダに声を掛けられた。
「ええ、ごめんなさいね。
もう大丈夫だから、私にやらせて」
「でも…」
シスターロンダは心配そうに私を見ます。
「カイルも一緒にいてくれるから大丈夫。
ね? おねがい」
私は両手を合わせて拝み倒します。
「分かりました。ではグランシスター達には私から言っておきますね。
カイル様くれぐれも無理させないで下さいね」
「もちろん、調子悪くなったら、すぐに変わって貰うよ」
カイルがそこまで言ってくれたので、シスターロンダも納得してくれました。
少しして、いつか感じた様な不思議な感じがしました。
「あれ?」
私は辺りを見回すと、少し離れた木の影から教会をじっと見ている人を見付けました。
帽子を目深にかぶっているので、顔がよくわからない。
そう言えば、孤児院から帰って来た時に教会の前にいた男の人を見た時の感覚と同じだわ。
じゃあ、あそこにいる人がこの前の人かしら?
「どうした?」
カイルに声をかけられて、その事を言うと木の影の男をじっと見つめてから思いもよらない事を言いました。
「セシリア、落ち着いて聞いて、あいつバイロンだ」
「え?」
あの男がバイロン‥さ…ま…
シスターにお昼届けてって頼まれたよ」
1時間程した頃カイルが戻って来ました。
「ありがとう。少し眠ったら、バッチリよ」
「少しお腹に入れなよ。
美味しかったよ君の林檎で作ったアップルパイ」
カイルは野菜スープとアップルパイと暖かいミルクティーをお盆に乗せて運んできました。
「わあ、いい匂い。
お腹すいてたみたい」
「ゆっくり食べて、もうアイツらいないから心配しなくていいよ」
カイルは大叔母様がバイロン様達に声をかけた事や魔法がかかった栞を渡した事を教えてくれた。
「そう… 大叔母様はなんか言ってた?」
「そうだな… 一緒にいたのは、魔導師だって言ってたよ。
後は別になにも」
「そう」
大叔母様はバイロン様に何も思うところはないのかな?
「ねえ、カイル。
私もう元気になったし、バザーの手伝いに行きたい」
「今日はゆっくりしてた方がいいんじゃないか?」
「ううん、皆と一緒に動いている方がいいわ。
1人でいると考えすぎちゃうもの」
「そうか… わかった。
でも無理するなよ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「セシリア様、もういいのですか?」
バザーで私の代わりに林檎ジャムとクッキーを売っていたシスターロンダに声を掛けられた。
「ええ、ごめんなさいね。
もう大丈夫だから、私にやらせて」
「でも…」
シスターロンダは心配そうに私を見ます。
「カイルも一緒にいてくれるから大丈夫。
ね? おねがい」
私は両手を合わせて拝み倒します。
「分かりました。ではグランシスター達には私から言っておきますね。
カイル様くれぐれも無理させないで下さいね」
「もちろん、調子悪くなったら、すぐに変わって貰うよ」
カイルがそこまで言ってくれたので、シスターロンダも納得してくれました。
少しして、いつか感じた様な不思議な感じがしました。
「あれ?」
私は辺りを見回すと、少し離れた木の影から教会をじっと見ている人を見付けました。
帽子を目深にかぶっているので、顔がよくわからない。
そう言えば、孤児院から帰って来た時に教会の前にいた男の人を見た時の感覚と同じだわ。
じゃあ、あそこにいる人がこの前の人かしら?
「どうした?」
カイルに声をかけられて、その事を言うと木の影の男をじっと見つめてから思いもよらない事を言いました。
「セシリア、落ち着いて聞いて、あいつバイロンだ」
「え?」
あの男がバイロン‥さ…ま…
3
お気に入りに追加
2,168
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女の妊娠で王子と婚約破棄することになりました。私の場所だった王子の隣は聖女様のものに変わるそうです。
五月ふう
恋愛
「聖女が妊娠したから、私とは婚約破棄?!冗談じゃないわよ!!」
私は10歳の時から王子アトラスの婚約者だった。立派な王妃になるために、今までずっと頑張ってきたのだ。今更婚約破棄なんて、認められるわけないのに。
「残念だがもう決まったことさ。」
アトラスはもう私を見てはいなかった。
「けど、あの聖女って、元々貴方の愛人でしょうー??!絶対におかしいわ!!」
私は絶対に認めない。なぜ私が城を追い出され、あの女が王妃になるの?
まさか"聖女"に王妃の座を奪われるなんて思わなかったわーー。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
聖女の代わりがいくらでもいるなら、私がやめても構いませんよね?
木山楽斗
恋愛
聖女であるアルメアは、無能な上司である第三王子に困っていた。
彼は、自分の評判を上げるために、部下に苛烈な業務を強いていたのである。
それを抗議しても、王子は「嫌ならやめてもらっていい。お前の代わりなどいくらでもいる」と言って、取り合ってくれない。
それなら、やめてしまおう。そう思ったアルメアは、王城を後にして、故郷に帰ることにした。
故郷に帰って来たアルメアに届いたのは、聖女の業務が崩壊したという知らせだった。
どうやら、後任の聖女は王子の要求に耐え切れず、そこから様々な業務に支障をきたしているらしい。
王子は、理解していなかったのだ。その無理な業務は、アルメアがいたからこなせていたということに。
戦地に舞い降りた真の聖女〜偽物と言われて戦場送りされましたが問題ありません、それが望みでしたから〜
黄舞
ファンタジー
侯爵令嬢である主人公フローラは、次の聖女として王太子妃となる予定だった。しかし婚約者であるはずの王太子、ルチル王子から、聖女を偽ったとして婚約破棄され、激しい戦闘が繰り広げられている戦場に送られてしまう。ルチル王子はさらに自分の気に入った女性であるマリーゴールドこそが聖女であると言い出した。
一方のフローラは幼少から、王侯貴族のみが回復魔法の益を受けることに疑問を抱き、自ら強い奉仕の心で戦場で傷付いた兵士たちを治療したいと前々から思っていた。強い意志を秘めたまま衛生兵として部隊に所属したフローラは、そこで様々な苦難を乗り越えながら、あまねく人々を癒し、兵士たちに聖女と呼ばれていく。
配属初日に助けた瀕死の青年クロムや、フローラの指導のおかげで後にフローラに次ぐ回復魔法の使い手へと育つデイジー、他にも主人公を慕う衛生兵たちに囲まれ、フローラ個人だけではなく、衛生兵部隊として徐々に成長していく。
一方、フローラを陥れようとした王子たちや、配属先の上官たちは、自らの行いによって、その身を落としていく。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
影の聖女として頑張って来たけど、用済みとして追放された~真なる聖女が誕生したのであれば、もう大丈夫ですよね?~
まいめろ
ファンタジー
孤児だったエステルは、本来の聖女の代わりとして守護方陣を張り、王国の守りを担っていた。
本来の聖女である公爵令嬢メシアは、17歳の誕生日を迎えても能力が開花しなかった為、急遽、聖女の能力を行使できるエステルが呼ばれたのだ。
それから2年……王政を維持する為に表向きはメシアが守護方陣を展開していると発表され続け、エステルは誰にも知られない影の聖女として労働させられていた。
「メシアが能力開花をした。影でしかないお前はもう、用済みだ」
突然の解雇通知……エステルは反論を許されず、ろくな報酬を与えられず、宮殿から追い出されてしまった。
そんな時、知り合いになっていた隣国の王子が現れ、魔導国家へと招待することになる。エステルの能力は、魔法が盛んな隣国に於いても並ぶ者が居らず、彼女は英雄的な待遇を受けるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる