婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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自分の感覚

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「セシリア、少しは休めたか?
シスターにお昼届けてって頼まれたよ」


1時間程した頃カイルが戻って来ました。


「ありがとう。少し眠ったら、バッチリよ」


「少しお腹に入れなよ。
美味しかったよ君の林檎で作ったアップルパイ」

カイルは野菜スープとアップルパイと暖かいミルクティーをお盆に乗せて運んできました。

「わあ、いい匂い。
お腹すいてたみたい」

「ゆっくり食べて、もうアイツらいないから心配しなくていいよ」

カイルは大叔母様がバイロン様達に声をかけた事や魔法がかかった栞を渡した事を教えてくれた。


「そう…  大叔母様はなんか言ってた?」

「そうだな… 一緒にいたのは、魔導師だって言ってたよ。
後は別になにも」


「そう」
大叔母様はバイロン様に何も思うところはないのかな?


「ねえ、カイル。
私もう元気になったし、バザーの手伝いに行きたい」

「今日はゆっくりしてた方がいいんじゃないか?」


「ううん、皆と一緒に動いている方がいいわ。
1人でいると考えすぎちゃうもの」

「そうか… わかった。
でも無理するなよ」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「セシリア様、もういいのですか?」
バザーで私の代わりに林檎ジャムとクッキーを売っていたシスターロンダに声を掛けられた。

「ええ、ごめんなさいね。
もう大丈夫だから、私にやらせて」

「でも…」
シスターロンダは心配そうに私を見ます。

「カイルも一緒にいてくれるから大丈夫。
ね? おねがい」
私は両手を合わせて拝み倒します。

「分かりました。ではグランシスター達には私から言っておきますね。
カイル様くれぐれも無理させないで下さいね」

「もちろん、調子悪くなったら、すぐに変わって貰うよ」

カイルがそこまで言ってくれたので、シスターロンダも納得してくれました。


少しして、いつか感じた様な不思議な感じがしました。
「あれ?」

私は辺りを見回すと、少し離れた木の影から教会をじっと見ている人を見付けました。
帽子を目深にかぶっているので、顔がよくわからない。

そう言えば、孤児院から帰って来た時に教会の前にいた男の人を見た時の感覚と同じだわ。

じゃあ、あそこにいる人がこの前の人かしら?

「どうした?」
カイルに声をかけられて、その事を言うと木の影の男をじっと見つめてから思いもよらない事を言いました。

「セシリア、落ち着いて聞いて、あいつバイロンだ」

「え?」

あの男がバイロン‥さ…ま…


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