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バイロン視点(2)
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窓から見えるのは、教会の前の道だ。
ここは、ランパルドルの教会の前の民家。
数日前に、ここに住んでいた1人暮らしの老婆に新たな住みやすい家を用意して、交換してくれるように交渉したらしい。
その上引っ越し資金まで弾んでやったとか…
老婆にしてみればずいぶんな幸運だった筈だ。
こんな今にも壊れそうなおんぼろの一軒家と、もっと街中のきれいなアパートメントの一室の交換なのだから。
そして今そのおんぼろ一軒家を掃除して、要らないものは全て廃棄して、ようやく私の様な高貴な人物が我慢出来る程度には、片付けられていた。
「ふー、この匂いはどうにかならないのか?」
「人が生活していればこの程度の匂いはしょうがないですよ。
これでも、窓を開け放して空気の入れ換えはしたのですから」
とパドックはしょうがないとばかりに浄化魔法を使ってくれた。
テントに戻って来た調査隊が言うには、確かにランパルドルの教会には聖女がいる。
しかもここ数ヵ月前から、今まで見なかった綺麗な少女を見かける様になったと言うのだ。
確かに最近新しく現れた女て言うのは気になるが、綺麗なってところがどうも、エレーナとは思えなかった。
だって、あいつはそんなに目を止める程の美人ではない。
地味で目立たないから、その辺にいても気にする者はいないだろう。
人の記憶に残っていると言うのがエレーナとは思えない。
私は人違いではないかと言ったのだが、パドックがこの隠れ家の手配を始めてしまった。
そして今に至るのだっだ。
窓から外をずーと眺めたり、教会の前の道を変装して散歩したりしているけど、今のところそれらしい女を見かけない。
パドックから、エレーナを直接知っているのはあなただからよく見てくれと言われるが、それらしい人物がいないのではしょうがない。
「聖女って本当にここにいるのか?
教会に出入りしているのは、年寄りばかりだし、たまに女がいても、みんな町の住民ばかりたぞ」
「教会の敷地内にいるのは間違いありませんよ。
ただ教会にいつもいる訳ではなさそうです。
長期戦になりますが、あまり目立つ訳にもいかないのですよ。
他国ですからね」
うーん。確かにパルフィートの王家にバレるのは不味いよな~。
「はあ~毎日毎日教会を見張るのも飽きてきたな~」
といいながら、散歩をしている振りをして教会の前に立っていると、馬車が教会の側に停まった。
馬車から降りてきたのは、1人の少女と教会のシスターらしい年配の女性だった。
ここは、ランパルドルの教会の前の民家。
数日前に、ここに住んでいた1人暮らしの老婆に新たな住みやすい家を用意して、交換してくれるように交渉したらしい。
その上引っ越し資金まで弾んでやったとか…
老婆にしてみればずいぶんな幸運だった筈だ。
こんな今にも壊れそうなおんぼろの一軒家と、もっと街中のきれいなアパートメントの一室の交換なのだから。
そして今そのおんぼろ一軒家を掃除して、要らないものは全て廃棄して、ようやく私の様な高貴な人物が我慢出来る程度には、片付けられていた。
「ふー、この匂いはどうにかならないのか?」
「人が生活していればこの程度の匂いはしょうがないですよ。
これでも、窓を開け放して空気の入れ換えはしたのですから」
とパドックはしょうがないとばかりに浄化魔法を使ってくれた。
テントに戻って来た調査隊が言うには、確かにランパルドルの教会には聖女がいる。
しかもここ数ヵ月前から、今まで見なかった綺麗な少女を見かける様になったと言うのだ。
確かに最近新しく現れた女て言うのは気になるが、綺麗なってところがどうも、エレーナとは思えなかった。
だって、あいつはそんなに目を止める程の美人ではない。
地味で目立たないから、その辺にいても気にする者はいないだろう。
人の記憶に残っていると言うのがエレーナとは思えない。
私は人違いではないかと言ったのだが、パドックがこの隠れ家の手配を始めてしまった。
そして今に至るのだっだ。
窓から外をずーと眺めたり、教会の前の道を変装して散歩したりしているけど、今のところそれらしい女を見かけない。
パドックから、エレーナを直接知っているのはあなただからよく見てくれと言われるが、それらしい人物がいないのではしょうがない。
「聖女って本当にここにいるのか?
教会に出入りしているのは、年寄りばかりだし、たまに女がいても、みんな町の住民ばかりたぞ」
「教会の敷地内にいるのは間違いありませんよ。
ただ教会にいつもいる訳ではなさそうです。
長期戦になりますが、あまり目立つ訳にもいかないのですよ。
他国ですからね」
うーん。確かにパルフィートの王家にバレるのは不味いよな~。
「はあ~毎日毎日教会を見張るのも飽きてきたな~」
といいながら、散歩をしている振りをして教会の前に立っていると、馬車が教会の側に停まった。
馬車から降りてきたのは、1人の少女と教会のシスターらしい年配の女性だった。
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