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はじめましてです。

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パルフィート国の国王アイザック三世の前でカーテシーをしている。

「楽にせよ」

私と大伯母様は顔をあげて、正面を見ます。

カイラード殿下とどことなく似た容姿の優しそうな眼差しの方が目の前にいた。
「よく来てくれた。カイラードの父アイザックだ」
とても気さくに話してくれているけど、気品があり、生まれながらに人を使う側の人間特有の圧のようなものはどうしても感じてしまう。

隣にいる王妃様はとても物静かな印象でほほ笑みを讃えたその顔はとても美しいものだった。

「カイラードの母のエルザです。
あなたのお陰でカイラードは怪我ひとつ負うことなく帰って来れました。ありがとう」

「初めてお目にかかります。セシリアと申します。
この度はご招待頂きましてありがとうございます。
カイラード殿下がこの国に連れてきてくれたお陰でこうして大伯母様と会うことが出来ました。
私の方こそカイラード殿下に感謝しております」

国王陛下の隣でいつもより澄ました感じのカイルがちょっと照れて横を向く。

「マリナ、どうだ? セシリアと対面してみて」

「この前も言いましたが、自分の娘が出来たような幸せの日々ですよ」


「そうか、あなたのその様に嬉しそうな顔がみれて、カイラードがセシリアを探し出すことが出来て本当に良かった」

「本当に。カイラード、頑張った甲斐がありましたね」

「はい母上」

「セシリアよ。 そちの置かれていた状況の事は聞いている。
大変であったな。
聖女となったお前に対してアランソルがどのような態度を取って来るか分からないうちは、この国でゆっくりするがいい。
相手の出方次第で帰るも留まるもお前の好きにする事を許す」

「ありがとうございます。
お言葉に甘えて、大伯母様とゆっくりさせてもらいます」

「うむ。 私はこの後公務がある為席を外す事になるが、王妃はセシリアと会うのを楽しみしていたのだ。
ゆっくりしていけ」

「ありがとうございます」


「では、エルザ、カイラード
後は任せたぞ」

そう言って国王陛下は部屋を後にされました。


「さあ、では改めてお茶をご馳走するわ。
サロンへご案内するわね」
王妃様は大伯母様と話しながら歩いて行きます。

「行こう」
私はカイル殿下にエスコートされて移動します。

「緊張したわ」

「しっかりと挨拶をして、そうは見えなかったぞ」
カイル殿下はからかうように言いました。

「意地悪を言わないで、いくらカイルのお父様でも、一国の王様の前なのよ」

「ごめんごめん。本当に堂々としていたからさ。
流石王子の婚約者だなって」

「出来損ないって捨てられたのよ」

「相手に見る目がなかっただけだろ?
まだ気にしてる?」

「ふふ、全然」

「なら、いい」

この前のお出かけから、何だか距離が近くなった気がします。


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