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気付いた気持ち

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「ただ、陛下はセシリアに会いたがっているんだけど…
1度マリナ様と城へ来てくれる?」

「え? 国王陛下が私に?」
少し驚いてしまったのと、不安気な顔をしてしまった。

「別に、何か言われる訳ではないよ。
さっきも言ったように、この国の為に働いてもらうつもりはないんだ。
ただ、息子の命の恩人に礼を言いたいと言われてね」
とちょっと照れたように言いました。

「そう。ではカイルのお父様に会いに行くつもりでいいのかしら?」
とちょっと冗談のつもりで言うと
ニッコリ笑って。

「確かにそんな感じでちょうどいいかもな。
私の家族を紹介するから、家に招待するよ」
と言います。
家って… お城ですよね?

黙って笑っていると

「こんな事を聞いていいのか分からないけど…
セシリアはもう婚約破棄の傷は癒えてきたのかい?」
と少し気まずそうに聞かれました。


「え? 婚約破棄? 」
私はキョトンとしてしまいました。

ハッキリ言って、私の中ではどうでもいい過去の事になっている。

私の態度を見てカイル殿下は笑い出した。

「しっかり自分の事も癒せているみたいだな。
いや、良かった。
最初に会った時は途中で倒れてしまうんじゃないかって心配になる程うちひしがれて見えたから」

「私そんなだった? でも、カイルは私の事お城の侍女だと思っていたでしょ?」

「いや、本当は最初から訳ありの令嬢だと分かっていたけど、下手に刺激しないように、気が付かない振りをしてた」

それは気が付かなかった。
でも、その気遣いのお陰でずいぶん助けられた気がする。

「そうだったんだ。
ありがとう カイル」

「なんだい、改まって」

「ホントに感謝してるんだもん」

カイルは耳を真っ赤にして照れてます。
それを見ると私も照れる。

「個人的には、ずっとパルフィートにいて欲しい」

「うん」
私もこの国でずっといたいなぁ。
カイルともずっとこうやっていられたらいいなぁ。
何て思ってしまった。

私は始めて自分の気持ちに気付きました。


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