婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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生きているかもしれない

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エレーナ嬢が生きているかもしれない… パドックはそう言っていた。

そんな事が可能だろうか?
それよりもエレーナが聖女だなんて、そのような可能性があるのか?

ゲルハルト国王はパドックが言っている事をどう判断すればいいか、迷っていた。

考え込んで、黙る国王にパドックがもう一手打つように、言います。

「聖女マリナ様はエレーナ嬢の大伯母にあたるらしいですね?」

「は? 何を言っている」

「私はあの頃の事を調べ直しました。
前国王から、逃げるようにいなくなったマリナ様と一族は全てこの国を出たように見えていた。
しかしマリナ様の一番上の姉は何年も前に他家へ嫁いでいたから、あの時は追放を免れていた。
でも、いつ自分にも追跡の手が延びて来るかわからない、そこで生まれた子供を直ぐに養子に出していました。
その時の子供がエレーナ嬢の母親のシェリー・パシュレーヌ前侯爵夫人ですよ」

「それでは、本当にエレーナが聖女に覚醒している可能性があるのだな?」

「はい 私はそう思います。
なので、エレーナ嬢の捜索を続けて欲しいのです。
是非、聖女をこの国へ戻すために」

この国に、聖女を…
一度は失敗し、国を危うくした。
もう失敗するわけにはいかない。
しかし可能性があるなら、確かめなくては。
それに、エレーナ嬢が生きていれば、パシュレーヌ侯爵も喜ぶだろう。

「わかった 手配しよう」

「ありがとうございます。
是非、私も捜索に加えて頂きたい。 探す手立ても考えてあります」

ゲルハルト国王は少し考えて許可を出します。

「いいだろう パドックお前に捜索の指揮をする権限を与える。
くれぐれも大事にせず、極秘に事に当たれ」

「御意 お任せください」
自信をみなぎらせてパドックが出ていきました。


もし、聖女となったエレーナが見つかっても、私は前国王のような愚かな事はすまい。
そう心に誓うゲルハルト国王だった。
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