婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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可能性

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父であるゲルハルト国王はバイロンに向かって、改めて処分を考えるそれまでは謹慎は続けると言った。

もう反論する気はなかった。

その様子を見て、部屋に戻る事だけは許してくれた。

バイロン王子は久しぶりに自分の部屋に戻ることが出来た。
しかし部屋の前には騎士が立ち、扉は外から施錠された。

待遇は改善されたが、うれしさはなかった。
それよりも自分はこれからどうすればいいのか…
エレーナは死んだ。リリアーヌは投獄されている。
婚約者はいない状態になってしまった。
自分自身にもどのような処罰があるかまだわからない。
もう王位継承権も剥奪されるかもしれなかった。

一体どうなってしまうのか…
頭を抱えたくなってしまった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「国王陛下、少し気になる事がございます」
魔法研究所所長パドックがゲルハルト国王の執務室を訪ねてきました。

「どうした?」

「20年前、聖女が現れた際に魅了騒動があったのを知っていますか?」

「何だと?」

「あの時聖女となったマリナ様の兄の婚約者が魅了魔法を使って兄を操りマリナ様に危害を加えようとしたそうです。
それをマリナ様に返り討ちにされた事が聖女覚醒に繋がったのです。
この話、今回の事に似ていませんか?」
 
「今回? エレーナ嬢と魅了を使ったリリアーヌの事か?」

「はい。 もしも魅了を使う者が出てくる事と聖女が現れる事がセットだとすれば、エレーナ嬢が聖女であった可能があるのではないでしょうか?」

「まさか!? もしそうであっても、エレーナ嬢が亡くなってしまってはどうする事も出来んだろう」

「エレーナ嬢が聖女であった場合。もしくは覚醒出来ていた場合、あの様な悲惨な事故であっても生き残っている可能性が出てきます」

パドックはそう断言した。
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