上 下
29 / 178

暴かれる嘘

しおりを挟む
リリアーヌが魅了魔法を使ったことは、魔法研究所でも彼の才能と能力には、右に出るものはないと言われているパドック様が断言したことにより間違いなしとされた。

「なんで、そんな事を言うの?
私は知らないわ 魔法なんて使えない」
そう言うと涙を流した。
リリアーヌは先程までの反抗的な態度から、泣き落としに切り替えたようだ。

「お義父様 助けて私はそんな事していないわ そうでしょ?
あなたの可愛い娘よ?
いつもそう言ってくれていたじゃない」
リリアーヌがそう言った時、首輪が光った。

それをここにいる全員が確認をした。
「今首輪が光ったのを、みんな見たな?」
アンデ侯爵がいいました。

「この首輪は私が考案した魔法封じの首輪です。
意図的でも無意識でも魔法を使おうとすればこのように光って魔法を無力化します」
パドック様が首輪の説明をしました。

「この場の全員があなたが魔法を使える事の証人になった。
これでも認める気がないかな?
まぁいい。魅了の魔法を使った使わなかったに関わらず、あなたが王子に嘘を吹き込み婚約破棄させたのは紛れもない事実ですからね」

泣きながら俯いていたリリアーヌがガバッと顔をあげた。
「嘘じゃありません!
私はお姉様に虐げられていて、いつもいつもひどい言葉を浴びせられていたのです。
バイロン殿下は私の事を心配してくれて、親身になってくださりそれがキッカケで私達は愛し合ってしまったのです
殿下は真実の愛を見つけたから、ただの政略結婚のようなお姉様との婚約をやめたに過ぎません」
リリアーヌがそう言うと、また首輪が光った。
こんどは赤い色がついた光だった。

「ああ、言ってませんでしたが、この首輪の特徴として、嘘をつくと赤く光ります。
もともと罪人に使う目的の首輪ですからね。
取り調べの時の嘘を防ぐためです」
とパドック様が赤い光を見ていいました。

パシュレーヌ侯爵のため息が響きました。
「リリアーヌの部屋を調べさせたら、エレーナの私物が山のように出てきた。
反対にエレーナの部屋は令嬢の部屋とは思えない程殺風景に見えるくらい物がなかった。
貴様が私のかわいいエレーナの物を奪い、虐げていたのだろう?
貴様が暴言を吐いているのを使用人たちが見ているし、聞いている。
もう私は騙されないぞ」
パシュレーヌ侯爵は鋭い目付きで言った

「え? 私の部屋に勝手に入ったの? ひどい!」

「だまれ! 盗人猛々しいとはこの事だ。
ベルダとは離縁の手続きを取った。
お前も私とはもう何の関係もない… いや違うな。
私の愛娘に危害を加えた憎い罪人だ」

「そんな… 」
さすがのリリアーヌもこれにはショックだった。
もう自分は侯爵令嬢ではなくなってしまったのだから。




━━━━━━━━━━


お読み頂きありがとうございます。

本日「冤罪により婚約破棄された令嬢は復讐したい」を久しぶりに更新しました。

「悪役令嬢に転生したおばさんは憧れの辺境伯と結ばれたい」
もよろしくお願いします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。

前世の記憶がある伯爵令嬢は、妹に籠絡される王太子からの婚約破棄追放を覚悟して体を鍛える。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

王太子に婚約破棄され奈落に落とされた伯爵令嬢は、実は聖女で聖獣に溺愛され奈落を開拓することになりました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?

今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。 バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。 追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。 シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。

この野菜は悪役令嬢がつくりました!

真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。 花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。 だけどレティシアの力には秘密があって……? せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……! レティシアの力を巡って動き出す陰謀……? 色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい! 毎日2〜3回更新予定 だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!

稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています

水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。 森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。 公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。 ◇画像はGirly Drop様からお借りしました ◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

妹は謝らない

青葉めいこ
恋愛
物心つく頃から、わたくし、ウィスタリア・アーテル公爵令嬢の物を奪ってきた双子の妹エレクトラは、当然のように、わたくしの婚約者である第二王子さえも奪い取った。 手に入れた途端、興味を失くして放り出すのはいつもの事だが、妹の態度に怒った第二王子は口論の末、妹の首を絞めた。 気絶し、目覚めた妹は、今までの妹とは真逆な人間になっていた。 「彼女」曰く、自分は妹の前世の人格だというのだ。 わたくしが恋する義兄シオンにも前世の記憶があり、「彼女」とシオンは前世で因縁があるようで――。 「彼女」と会った時、シオンは、どうなるのだろう? 小説家になろうにも投稿しています。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

処理中です...