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カイル

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カイルがやって来ました。

「マリナ様、父が1度ご足労頂きたいと言っています」

「そう、エレーナの事かしら?」

「そうですね。 今後の事も話を聞いておきたいと言っています」

「分かりました。
カイルはここでエレーナの相手をしていてね」

そう言って大叔母様は出ていかれました。

「大叔母様はカイルのお父様の所へ行ったの?」

「ああ、僕が乗ってきた馬車を使ってね」

「ねえ、カイルのお父様って…」

「ん? パルフィートの国王かな」
と言ってニッコリ笑うカイル。

やっぱりね。何とな~くだけど、そんな気がしてました。

「あんまり驚いてないね」

そうね、自分でもそう思うわ
「何となく そ~かな~って思ってた」

「へー いつから?」

「この国に誘われた時くらいから、あなたが平民ではないなって思ったから。
カイルは本当の名前?」

「カイラード・ジョン・パルフィートが本名だ。
エレーナは、エレーナ・パシュレーヌだっけ?」

「改めまして、エレーナ・パシュレーヌですわ」
ちょっとおどけて言ってみます。

「えーと侯爵令嬢だったよね?」

「ええ、でももうただのエレーナよ。お父様から絶縁状も出されたし」

「エレーナの父上は魅了の魔法でもかけられていたんじゃないのかな?
マリナ様はなんて言ってた?」

「大叔母様もそう言ってたわ。
でも魅了の魔法なんて簡単に使える人がそういるのかしら?
まして、義妹がそんな事出来たなんて信じられない」

「まあ調べが済めば、そのうちわかるよ。
そろそろルネから連絡も入ると思うし」

「もう一つ聞いていい?」

「なに?」

「私を馬車に乗せてくれたのも偶然?」

ルネ達にはそう言っていたけど、そんなに都合よくいくのもかしら?って考えてしまう。

「うーん、半分は偶然って感じかな」

「どう言うこと?」

「もともと聖女マリナの身内にあたる娘を探していたんだ。
それは言ったよね?」

「ええ」

「だけど、探すにあたって、マリナ様の姉上の娘がどこへ嫁いだのか分からなかったんだ。
多分、姉上は生んだ子供をこっそり養子に出している。
それは王家に自分の出生の家が知られた時の用心だったと思う」

そうか、おばあ様の事をあまり知らないのは、そう言うことなのね

「だから、君の母上と君を探しても全然分からなかったんだ」

「それで何年も探していたと言ったのね」

「ああ、何か分かれば王家の方に動きがあるかな?って思って城を張っていたんだよ。
それでどうも高位貴族の令嬢が修道院へ送られるらしいと話を聞いて、馬車の客を探しているって城の騎士達に話を流したのさ。
だから、偶然エレーナの話を聞き付けて、君が聖女の血筋か確認するために一緒に旅をしたって訳」

だから、半分は偶然なのね。

大叔母様が私を探してくれて、私は助かったのね。
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