婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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夢なのか現実なのか

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私達は崖下に落ちたのが幸いして、山越えの先の道に出る事ができました。
「凄い偶然だけど、助かったよ
これなら遅くはなるけど、人里までは辿り着けそうだ」

と途中道を確認しながら、カイルがいいます。
馬車もドアの鍵意外は大きな破損もなく、車輪も無事でした。

「馬達も怪我がなくて良かったよ」
と馬に水をあげながらいいました。

私も馬に近づき、首を撫でます。
「無事でよかったわ またよろしくね」

「ヒヒーン」
あれ? 馬が急に元気になったような… 気のせいよね。

「さて、もうひと頑張り 次の村をめざすか」
とカイルが言いました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

日が落ちた頃、1番近くの村に着くことが出来ました。

宿屋に馬車を止めて、カイルが部屋を取りにいきました。

戻ってきたカイルは手にショールを持っています。
「エレーナ、部屋に行こう」
そう言って私の頭からショールを掛けます。

「これ、どうしたの?」

「借りてきた、その髪と顔は目立つから隠して」

そう言って、部屋まで連れていってくれました。

部屋に入って、ソファーに腰をおろし、息を吐き出しました。

今ここいる事が信じられない、つい数時間前死んでいたかもしれないのだ、先程の出来事って本当だったのかしら?

いえ、現実よね
その証拠がここに。
指輪を眺め、鏡の前に立ち改めて自分の姿をマジマジと見ました。
本当にこれが私なのだろうか?

普通の金髪よりも輝いているような蜂蜜色の髪… 1本1本が内側から光っているような不思議な髪だ

瞳も元の青色の上から虹のベールが掛かったように輝いている。

鼻筋は通って、前の幼さが残ったような頬の膨らみが削がれた様なスッとした顔立ちで、血色のよいぷるんとした可愛い口元。

見れば見るほど、前に別人が立っている錯覚を起こしそうだった。

コンコン
ドアがノックされて、カイルが入ってきた。

「宿の人にお願いして、食事持ってきたよ
エレーナはちょっと体調崩して休んでるって事にした」

カイルはここの人達に私を見られるのを避けたいようです。




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