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次の村

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日が西に傾きそろそろ夕方になろうとする頃、次の村に差し掛かった。
先ほどの村より大きくて、立派な宿屋や食堂などもいくつかあった。

1つの宿屋の前に馬車を停めてカイルが声をかけてきた。
「今日はこの村で休むことになる。
部屋を取ってくるから、少し待っててくれ」

私は馬車の中から、その宿屋をぼんやり見ていた。
村に入ってから見かけた幾つかの宿より、大きそうだった。

「お待たせ、ちゃんとカギが掛かる部屋を取ってきたから、裏に馬車を停めてから部屋に案内するよ」

私達は馬車を宿の裏に停めて、裏口から中に入った。
中は、外から見た印象よりも立派だった。

「随分いい宿ね。カイルお金大丈夫?」

「言ったろ? エレーナを修道院へ乗せて行くだけなのに、随分と余計に金をもらってるって。
そのとき条件がエレーナに決して失礼な対応をするなって言われたんだ。
オレ1人なら、こんないい所泊まらないさ」

ああ、本当に気を遣ってくれたんだ。
エレーナは騎士や侍女たちに感謝した。

そして、カイルにも。
お金を余分に貰っていたって、黙っていれば、わからない。
全てカイルが使う事も、私をだます事だって出来るのに、ちゃんと良くしてくれる。
そんなカイルの人柄も好ましかった。


2階の部屋は突き当たりの角部屋でそんなに大きくはないけど、とてもキレイで清潔だった。
内側から鍵も掛かるから安心して休めそうだ。

「まだ時間が早いからいい部屋が取れて良かったよ。
オレの部屋は隣だから、何かあれば呼んでくれ。
7時になったら食堂で夕食だからな」
そう言ってカイルは出ていった。

窓に近づいて外を眺めていると、ふと外へ出たくなりました。

まだ外は明るいし、村を見てみたくなり、部屋を出て隣のドアを叩いた
「カイル、私 村を見てまわりたいんだけど、行って来ていいかしら?」

「ちょっと待て待て、1人で行く気か?」

「そうよ、この辺だけだから大丈夫よ」

「いや、オレも行くから待ってろ」
そう返事が返って来たので、廊下で待つことにしました。

疲れているだろうし、何か悪いと思い1人で行くつもりだったのだけど、付いて来てくれるならその方が安心だな。

カイルはすぐに出てきました。
「じゃあ行くか」
と言って歩き出します。
私はその後をゆっくり付いて行きました。



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