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ロダン伯爵
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「ごきげんようロダン伯爵様」
私は頭を下げて丁寧に挨拶をする。
「聖女様にその様にされますと恐縮いたします。どうぞお楽に。
また我が国の為にお戻り下さったと聞いたのでご挨拶をと思っただけにございますよ」
私がマリーエル様の元へ戻った事はまだ極秘なのに嘘が下手だ。
自分からスパイを送ってるって白状しているようなものね。
「あら? 私がこの国にいる事はまだ極一部の方しか知りませんが、どなたからお聞きになりましたの?」
「え? ああ、 いえ‥あの…
ちょ、ちょうど今お見かけしたからそうなのかなぁーと私が勝手に思っただけでして」
「そうですか… まだ陛下に内々に頼まれただけなので、どうか内密に」
私はあえて嫌そうにため息をつきながら言う。
「おや? 聖女様は乗り気でないご様子ですね。
何か問題でも?
聖女様がその様に悩まれている姿を拝見したらこのロダン黙っていられません。
良ければ私めにご相談されませんか?」
私の様子を見て直ぐに調子を取り戻すロダン伯爵。
バランティ侯爵にもこうやって調子良く取り入っているのかしら?
「ありがとうございます。
ロダン伯爵はとてもお優しい方ですね。
私この国に頼れる人は少ないですから、嬉しいです」
にっこり微笑めば、お調子者はますます調子に乗る。
「聖女様は特別です。
私めはあなた様の忠実なしもべになる事をお約束いたします。
このロダンを信じて打ち明けて下さいませ」
私は話すかどうか葛藤している演技をしながら内心ほくそ笑む。
「そこまで仰るなら、少し話し相手になっていただけますか?
ロダン伯爵様。
でもこれはあくまでも、他愛もない雑談です。
わかりますね?」
「もちろんでございます。
聖女様の気晴らしにお喋りのお相手を努めるだけでございますから」
ロダン伯爵は満面の笑みで私を一室に連れていく。
このような部屋は王宮内にいくつもあり、王宮で公務に携わっている貴族たちが自由に使える部屋だ。
ロダン伯爵は私を椅子に座らせて、自分も私の前にある椅子に座る。
「ここなら邪魔も入りません。気を晴らすつもりでなんでもお話しください。
もちろん、ここだけの話しだと言う事は分かっております。
このロダンを信じて安心してお喋りしてください」
そう言うロダン伯爵の顔は先程までとは変わり悪役そのものの笑みだった。
顔の形が変わった訳でもないのに、一体何がこんなに印象を変えるのだろう。
私は興味深く彼を観察しながら、本当に嫌そうにため息をつきながら話し始めます。
「今回も私は王妃様のもとで仕えさせて頂くのですが… はぁー」
また1つため息を漏らす。
その度に、彼の顔は厭な笑みが溢れだす。
私の憂鬱さが彼にとっては宝物を見つけた様にうれしそうだ。
やれやれ、こんなに分かりやすく顔に出して私が本当に気づいてないと思っているなんて、どれだけ私を侮っているのだろう。
私は頭を下げて丁寧に挨拶をする。
「聖女様にその様にされますと恐縮いたします。どうぞお楽に。
また我が国の為にお戻り下さったと聞いたのでご挨拶をと思っただけにございますよ」
私がマリーエル様の元へ戻った事はまだ極秘なのに嘘が下手だ。
自分からスパイを送ってるって白状しているようなものね。
「あら? 私がこの国にいる事はまだ極一部の方しか知りませんが、どなたからお聞きになりましたの?」
「え? ああ、 いえ‥あの…
ちょ、ちょうど今お見かけしたからそうなのかなぁーと私が勝手に思っただけでして」
「そうですか… まだ陛下に内々に頼まれただけなので、どうか内密に」
私はあえて嫌そうにため息をつきながら言う。
「おや? 聖女様は乗り気でないご様子ですね。
何か問題でも?
聖女様がその様に悩まれている姿を拝見したらこのロダン黙っていられません。
良ければ私めにご相談されませんか?」
私の様子を見て直ぐに調子を取り戻すロダン伯爵。
バランティ侯爵にもこうやって調子良く取り入っているのかしら?
「ありがとうございます。
ロダン伯爵はとてもお優しい方ですね。
私この国に頼れる人は少ないですから、嬉しいです」
にっこり微笑めば、お調子者はますます調子に乗る。
「聖女様は特別です。
私めはあなた様の忠実なしもべになる事をお約束いたします。
このロダンを信じて打ち明けて下さいませ」
私は話すかどうか葛藤している演技をしながら内心ほくそ笑む。
「そこまで仰るなら、少し話し相手になっていただけますか?
ロダン伯爵様。
でもこれはあくまでも、他愛もない雑談です。
わかりますね?」
「もちろんでございます。
聖女様の気晴らしにお喋りのお相手を努めるだけでございますから」
ロダン伯爵は満面の笑みで私を一室に連れていく。
このような部屋は王宮内にいくつもあり、王宮で公務に携わっている貴族たちが自由に使える部屋だ。
ロダン伯爵は私を椅子に座らせて、自分も私の前にある椅子に座る。
「ここなら邪魔も入りません。気を晴らすつもりでなんでもお話しください。
もちろん、ここだけの話しだと言う事は分かっております。
このロダンを信じて安心してお喋りしてください」
そう言うロダン伯爵の顔は先程までとは変わり悪役そのものの笑みだった。
顔の形が変わった訳でもないのに、一体何がこんなに印象を変えるのだろう。
私は興味深く彼を観察しながら、本当に嫌そうにため息をつきながら話し始めます。
「今回も私は王妃様のもとで仕えさせて頂くのですが… はぁー」
また1つため息を漏らす。
その度に、彼の顔は厭な笑みが溢れだす。
私の憂鬱さが彼にとっては宝物を見つけた様にうれしそうだ。
やれやれ、こんなに分かりやすく顔に出して私が本当に気づいてないと思っているなんて、どれだけ私を侮っているのだろう。
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