聖女派遣いたします

ゆうゆう

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ターゲットの特定

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私達は応接室に着くと、何も知らない顔をして、中へ入って行った。

私達が部屋に入った瞬間、相手の気配が薄くなる。
でも逃げたり、場所を移した訳ではないようだ。
やはり何かの方法で自分の気配を隠しているようです。

「王妃様はもうすぐいらっしゃるのでしょう?」
「ええ、それまでにこの部屋を過ごしやすい様にクリーン魔法と浄化魔法を掛けましょうか」

あらあら、王妃様が来ると聞いた途端気配が揺らいだ。

「そうね、私達聖女が出来ることは、結界を張ることと浄化する事くらいだものね」

そう話すと、さっきより気配がハッキリした。

きっと私達が無能な聖女だと、思ったのね。

私達は何も気付いてない振りをして祈りを捧げるかの様に跪いて手を合わせる。

本当は気配の場所を特定するために様子を伺っているだけなんだけどね。

あちらが勝手に私達を侮ってくれたから、先程よりも気配も読みやすいし、場所も特定出来ました。

「クララ、そのまま祈ってる振りをしててね」

私は立ち上がると、窓を開きます。
すべての窓を開き、最後に吐き出し窓を開けます。
この大きな窓の先はタイル張りのテラスに繋がっています。

窓を開けるときに相手が警戒するか様子を見ながら一つ一つ開けてみたけど、私がまったく周りに意識を向けていないと分かったのか、まったく気配を消すことなく、その場にいるターゲット。

クララがこれまで苦労していたのは、周りに騎士もいたからのようですね。
要はターゲットは騎士に対してはとても気を配っていたのに、聖女であるクララが気配を探っていた事には気が付いて無かったようです。

きっとクララが探っていたのに、騎士の誰かだと誤認していたのでしょう。

それが証拠に今私達2人だけなのを見て、まったく気を抜いていますもの。

まぁ、油断してくれた方が仕事はしやすいです。

テラスに出た私は手すりに仕込んだ魔法具を起動させました。

そして何食わぬ顔で部屋に戻ります。

そしてクララの横に戻り祈りを捧げます。
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