聖女派遣いたします

ゆうゆう

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最悪の出会いのあったロジェ。
彼女が王妃宮に来ていたとはサリーも災難としか言いようがない。

あの後も何かと侍女達の噂話に上がっていたロジェ。

「でも、あんなお騒がせ女だったのに、侍女班長?」
とドーリスが疑問を口にする。

「いえいえ、代理です。
実は王太后様の離宮から8人の侍女が侍女班長を筆頭に仮で配属されてきたのですが」

なんでも配属直前で侍女班長のコーリアが怪我をして休養を余儀なくされてしまったのです。
他の侍女をまとめて貰えるように代理を立てさせた所、ロジェが他の侍女を黙らせて自分がなると言い張ったようです。

さすがと言うか、やはりと言うか…聞くだけで、面倒な匂いしかしない。

ん? そう言えば。

「サリー まだ仮の配属なの?」

「はい、1ヶ月ほど各宮の侍女長が仮で配属になった者の様子を見て本配属にするか決めます。
なので、余計に今バタバタしているのです」

サリーの目の下に若干の隈が…
相当苦戦しているのかしら?
そんなサリーを見ていたから、マリーエル様も相談しにくかったのかもしれないな。

「じゃあそれとなく、私達がサリーをフォローしよっか?」
とドーリスもサリーの疲れを悟って、サリーの背中に向かって癒しの力を放ちながら言った。

「そうだね。マリーエル様の護衛をしながら新しい子達はドーリスの心眼も使っておくから」

「ありがとうございます。
このタイミングで2人が戻って来てくれて本当に助かりました」
サリーは安堵したような笑顔をみせた。

「一応王妃宮の案内をして貰う口実で出てきたけど、あの頃から変わった所はあるの?」

私達はこの王妃宮の事なら侍女達がこっそりサボって休憩するスポットや料理人の昼寝場所まで把握している。
今さら案内は要らないのだけど、変化した所もあるかもしれない。

「そうですね… 執務室が新しくなりました」

前はまだ幼いマリーエル様は難しい政務はされてなかったから、読書室兼勉強室みたいな部屋だった。

今は王妃としてやるべき仕事は全てこなされていると言うからそれは当然な変化だろう。

「後は庭園に面した場所に新たなサロンを作りましたね」

私達は新しく出来た執務室とサロンに行ってみる事にした。
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