聖女派遣いたします

ゆうゆう

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改めまして

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「改めまして、本日より王妃様の護衛兼相談役に任命されました、聖女フランチェスカとドーリスでございます。
よろしくお願いいたします」

「よろしくね」
マリーエル様は周りの侍従、メイド、騎士達の手前表向きのお顔で対応されています。

が、耳と首の後ろがうっすら赤くなっている。
マリーエル様は嬉しかったり興奮すると、ここが赤くなる傾向があります。

言わなくても嬉しがってくれているのがわかる。

「早速、王妃宮の中を覚える為に宮中と宮の周りを見て回る事をお許し願えますか」

「いいわ、宮の隅から隅まで見ることを私が許します」

「ありがとうございます」

「サリー2人の案内を。
侍女長のサリーよ、分からない事は彼女に聞いて」

私達は3人で王妃様の部屋を後にした。

少し歩いて、ひと気のない事を確認して、ドーリスが盗聴防止魔法をかけてくれたのを見て口を開いた。

「サリー久しぶり、元気だった?」

「フランチェスカ様も、ドーリス様もお元気そうで何よりです。
でも、随分と急ですね。
お2人の事を聞いたのは今朝でしたが…」

「ふふふ、それはそうよ。
決まったの昨日だもん」
となりでドーリスもウンウン頷いている。

「え? 昨日ですか?」

「ええ、昨日陛下と話してその場で決まったの」

「それ程の一大事が発生しましたか?」
サリーに緊張が走る。

「う~ん、まだ何も起こってはいない。
だけど、ここを誰かが気にしているようなの」

私はサリーに全てを包み隠さず話した。

彼女はマリーエル様がこの国に来た時から私と共に支え続けている人だ。

彼女の事は信頼しているから、隠す必要はない。

「そんな事が…」
サリーが驚いていた。

「懐妊に関してはそろそろサリーに耳打ちしようと思われていたようよ。
でも、監視されていたとしたら、下手に医者も呼べないから迷っていたらしいの」

サリーは納得して頷いた。

「サリーは何か気付いている事はない?」

「そうですね。フランチェスカ様達も気付いていると思いますが、この所王妃宮の使用人が増えてます。
私と第二騎士団長のクライブ様も把握するのが困難になるほど、今王妃宮は出入りが激しいのです」

王妃様の側近騎士は第二騎士団でその第二騎士団を、指揮いる団長クライブ様もサリー同様信頼出来る1人だ。

「うん。さっきも知らない顔が多かった」

そう、先ほど王妃様と他人行儀なやり取りをしたのは、周りに私達の関係を知らない人間が多かったからだ。

まずはこの宮で働いている人物の把握は急務ですね。
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