聖女派遣いたします

ゆうゆう

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子は親を映す鏡

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近く王位継承権剥奪、王族からも抜かれた上に国外追放となる予定だとか。

うーん、あの暴君を野に放つのは周りの迷惑になる気がするけど、隣の国で騒ぎを起こせば直ぐにつかまるわね。
何せスーリア国はウベズェルとは比べ物にならないくらい国の端まで治安に気を遣っている国だから。
この大陸で聖女の国以外で1番女性が安全に暮らせる国なのだ。

そんな所で今までみたいに簡単に女性に手を出せばすぐに牢屋にぶちこまれるだろう。

「どうぞ、読んでください」

私はセバスさんに手紙を渡した。

「いいのですか?」

「どうぞ、宰相の手紙では私が帰ってきた後の詳しい事は書かれていないのでしょう?」

セバスさんは確かにと言って手紙に目を通します。

「なるほど、愚かな王子はとうとう国から見放されましたか。
だとしても当分あの国へ聖女を行かせる気はありませんがね。
まぁあなたが張った結界なら、後数年はもつでしょう」

確かにね、あの国って常駐する必要はあまりないんですよね。
魔物がたまに出てくる山の洞窟がありそこの結界を張る事、それとまだ発見されていない洞窟と繋がっている穴からたまに出てくる魔物の討伐の手伝い。
それから教会へ来る怪我人病人の治療がウベズェルの仕事内容です。
1番大切なのは1年に2回洞窟の結界を張る事。
でも2回張る必要って正直ないんだけど、その方が安心だからとお願いされていた。

そして、常駐するのも国に聖女がいてくれれば安心だから。

別に数日聖女を呼んで結界張ればいいだけなのに。

結構かかるんですよ。
聖女を年単位で借り受けるって。

国が豊かな大国ならどうって事ないかもしれませんが、私達って普通の人じゃないから、騎士や侍女を雇うのとは違いますからね。

それなのに、無理をしてまで常駐させるのって、実は大国に肩を並べたいって言うただの見栄っ張りなだけの無駄遣いなのです。

そう思うとあの国王にして、あの王子ありと言うところでしょうか。
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