聖女派遣いたします

ゆうゆう

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びっくり玉

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ミーナの部屋に戻って2人でベッドへ倒れ来んで笑い転げた。
いい感じに酔っぱらって笑ってそのまま眠り込む。

ドンドン ドンドン
「何? うるさ…」

「うーん… だーれー?」

「こちらにフランチェスカ様はおられますか?」
私はいきなり覚醒して飛び起きた。

「団長?」

慌ててドアを開ける

「やはりこちらでしたか」
ホッとしているトレビス団長。

「どうしたんですか? 何か火急の要件でも?」

「すいません、こんな夜更けにフランチェスカ様の部屋に入り込んで暴れまくった者がいまして…」

「へ?」

トレビス団長の話では、つい30分程前に東宮から雷でも落ちたような音が轟、東宮の夜勤の騎士が見回ると私の部屋から煙が出ていて、部屋の中は嵐が通った様な有り様。
そして部屋の真ん中に男が気を失って伸びていたそうだ。

「えっと、その男ってまさか…」

「そのまさかですよ」

「はぁー」

ニルス王子は最後の悪あがきとばかりに私の部屋にやってきたのね。

でも、私はどこにも居らず部屋はもぬけの殻だったから、怒って部屋をめちゃくちゃにしたって事かな。

そして私もすっかり忘れていたんだけど、ベッドの枕元に防犯用に超絶大きな音が出るびっくり玉を置いてたのだ。

回収し忘れちゃった… 。

私はその事をトレビス団長に説明した。

「なるほど、では殿下はその音と爆煙に驚いて伸びてしまったと言う事ですか?」

「はい。びっくり玉は相手を怯ませている間に逃げる為の物なので、殺傷能力はありません。
まぁ数日は耳の聞こえは悪いでしょうけどね」

「では、部屋がめちゃくちゃなのは、やはり殿下のせいでしょうか?」

「びっくり玉が破裂しても部屋は壊れませんよ」

そんな危ない物をベッドの枕元に置いておけなおでしょう。


「では、フランチェスカ様の私物は…」

「あ、大丈夫です。 ここに私の物はありますから、ただ衣服は侍女にあげたので破かれていたら可哀想ね」
とカバンを指差して言います。

「私、そちらに顔を出した方がいいですか?」

「いえ、フランチェスカ様はもうこの国を出られていなかった」
少し考え込んだトレビス団長はそう言ってニヤリと笑う。

「では、私はこのまま城を出ます。
もうそろそろ夜も明けそうですし」

このまま残っていると、また王子がいろいろと因縁を付けて面倒臭いから、団長もその辺を考えて私がいなかった事にしてくれると言っているのだ。

「お元気で。
今兵士達は東宮に集めていますので、西門から出れば、見咎められないと思います。
お気をつけて」

「トレビス団長、後でミーナに事情を説明してくださいね。
お世話になりました。さようなら」

私はカバンを手に走り出した。
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