聖女派遣いたします

ゆうゆう

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おバカ王子のリクエスト

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ドーリスは私より2つお姉さんの超が付くベテラン聖女です。

「セバスさん私の話聞いてました?
今度は私より若くて…」

「可愛いでしたっけ? フランチェスカよりとなるとなかなか難問ですからね。
しかも今ここに戻ってきてぶらぶらしている若手組はドーリスとラウラくらいなんですよ。
後はまだ1人で派遣させられない新米ばかりでね」

うーんそれは確かに難問ですね。
ラウラは私より若いけど可愛いじゃなくてかっこいいなんですよね。
背も高くてまるで少年の様な中性的な魅力がある子です。

それに新人のたまごちゃん達はまだ若いので各国の王族や貴族の相手をするのはまだ荷が重い。
たまごちゃん達はベテランのお姉様達と2人1組で2年間以上お仕事をこなせてやっと1人前なのです。

「そう言う事なら、しかたないですね。
見た目だけならドーリスは実年齢より5歳は若く見られますし、むしろ適任かも」

ドーリスは小柄で可愛い見た目なのでいつまでも10代の少女に見られます。
その上聖女としても優秀な上、失礼で身の程を知らない男達のあしらいがうまいのだ。
よく考えたら、これ以上ないくらいの適任者だった。

「でしょ? ドーリスならその命知らずな王子のあしらいも問題ないでしょう」
とセバスは自分の選定に満足気です。

「では、明後日にはそちらに着くようにいたします。
フランチェスカお疲れ様でした」

「ありがとうございますセバス。
よろしくお願いします」

私は水晶の通信を切ります。

さて、後任も決まったしこれであのバカな王子ともおさらば出来る。

このウベズェル王国と言う国は大きさからすると中の小と言うところで、国の豊かさもまあそこそこ。

でも大きな帝国から見れば吹けば飛ぶような国だから周りの国に上手く取り入り外交を頑張らないと直ぐに危機が訪れる。

それでも数代前の国王の頃は聖女に対しての敬いも高く信仰も強かったし王様自身が賢く国が小さくても豊かないい国だったそう。

今の国王は良くも悪くも印象の薄い方。
その上1人息子の王子があの様に愚か者ときている。

私が最初にこの国に来た時、馬鹿王子は自分の妾にして聖女を思いのままにしようとしたのだ。
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