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両親への手紙と新たな求婚

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━ガウディ邸━

「旦那さま、お嬢様からお手紙が!」

侍従長が書斎に飛び込んで来た時、本気で陛下に暇願いを出そうと書類を作っていた。

フローラが家を出て1ヶ月が過ぎた、もう我慢出来ないと思っていた所だったのだ。

「誰からの手紙だって?」

「お嬢様からです!」

手紙を差し出され、一瞬戸惑ってしまった。

「フローラからか?」

「そうです!お嬢様からですよ」

手紙をひったくり、封を開ける。

そこには確かに娘の書いた文字が…

「はあー、無事だったか」

手紙を持って、シンシアの部屋を訪ねる。

「シンシア、フローラから手紙だ!」

ずっと部屋に籠りっきりの妻に部屋の外から声をかける。

ガタン!ガタガタ

カチャ!
部屋のカギを開けて、何日ぶりに妻が顔を出した。

「あなた、本当なの?
フローラから?」

「そうだ、フローラはシスターガブリエルを頼って教会に身を寄せているんだ」

「ああ、神様ありがとうございます」

そう言って手紙を読み始めた…



◇◇◇◇◇◇◇

私はシスターに呼ばれて、応接室へ来ていた。

コンコン
「どうぞ、入って」

「失礼します、お呼びてすか?シスター」

私が部屋に入るともう1人座っていた。

見覚えのある銀髪のイケメン
「クロード様」

「やあ、また会えたねフローラ嬢」
そう言って微笑んでいる

「あら、もう顔見知りになっていたの?」

「ええ、この前のバザーでね」

「そうだったの。
フローラ、私があなたに会わせたかったのはこのクロード・アデンセルなの」

「え?アデンセル?
まさかアデンセル帝国の…」

「そう、彼は第3皇子なの」

私は慌てて頭を下げた

「フローラ嬢、ここではただのクロードでお願いしたい」

「は、はい それでは」
頭を上げて座る

「君がここへ来た経緯はシスターガブリエルに聞いたよ
ずいぶん、ひどい婚約者もいたもんだな」
そう言って呆れている

「もともと私に何一つ勝てない方ですから、最初からあきらめておりましたわ」

そう、元婚約者のカイロン殿下は勉学も社交も剣術さえ私に勝てない。
そしてあの夜のように口でも勝てない。
口論になってもすぐに口ごもる

そう言えば最初の日にシスターに話した後、殿下の事は1度も思い出さなかったわね

「そんなに情けない奴が、この国の王子なのか?
フローラ嬢もうこの国を出てうちに来ないか?」

うち?うちってアデンセル帝国にってこと?
確かにこの国とは比較出来ないくらい大きくて裕福な国なのよね?

ちょっと見てみたいけど…
招待してくれるって事?

「帝国に招いてくださるのですか?」

「いや、私の妻になってほしいのだが…
駄目だろうか?」

「え? 妻?
私がですか? ずいぶんいきなりでは?」

「すまない、実は最初に会った時に君に一目惚れした」
そう言う顔は真っ赤だった。

え?私に一目惚れ…
赤い顔を見て私まで顔が赤くなってきた。

シスターガブリエルは赤い顔をしている2人を優しく見守っていた。
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