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新たな生活

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「フローラ食事にしましょう
ちょうど、もうすぐお昼の時間なのよ」

もうお昼の時間だとは…どれだけ寝ているんですか、私ったら

私はシスターに連れられて、食堂へ向かいました。

「ちょうどいいから、みんなに紹介しますね
もうすぐ集まると思うから、ちょっとお茶でも飲みながらお話していましょうか」

そう言ってシスターがお茶をいれてくれました。

少しして、1人、2人と集まってきました。
女性ばかり、私くらいの子から、年配のシスターまで総勢10人ほどの人が席につきました。

「みなさん、今日からしばらくの間ここで一緒に暮らすフローラさんです
いろいろ教えてあげてくださいな」

「フローラと申します
よろしくお願いします」

「「「お願いします。」」」

「では、お昼を頂きましょう」

みんな各々席を立ち、部屋の奥にある長テーブルへ向かいます

「?」

「さあ、フローラいきましょう
ここでは自分のお皿に食べたいだけ、盛り付けて自分で持ってくるのよ」

「まあ、面白いですね」

「ふふ、貴族の家では無いことよね」

長テーブルに近づくと、まず大きな木のお皿が重ねて置いてあるのが目に付きました。
四角いお皿で、四つに仕切られています。
「おもしろいでしょう?
このお皿1つで味付けの違うものをのせても混ざらないのよ」

「へー凄いですね、こんなの初めて見ました」

「そうでしょう?特別に作ってもらったのよ
これによっていくつものお皿を使わなくて済むの」

シスターはお皿を一枚持ちます

お皿の横に大きなボールにサラダ隣に茹でた根菜がいっぱいあって、
そのとなりには、焼いたソーセージとベーコン。メインは肉と野菜の煮込み、パン、チーズ
と並んでいました。
一通り盛り付けていくシスターの真似をしながら、私もお皿に盛りました。

席に戻ると、1人女性がお茶をみんなに入れてくれました。

「では、頂きましょう」
シスターの言葉にみんな一斉にお祈りが始まりました。

そして、食事が始まります
サラさんの宿もとっても美味しかったけど、ここのお料理も美味しい。

勝手に教会や修道院の食事は質素で美味しくないイメージを持っていましたが、野菜が新鮮だし、煮込みも凄く丁寧に作られていました。

「どう、フローラお口に合ったかしら?」
シスターガブリエルが聞いてきました。
「はい、とても美味しかったです、この野菜は凄く新鮮ですけど、この近くで取れるのですか?」

「この野菜はこの教会で作ってるんですよ」
「そうなんですか、だからこんなに新鮮なんですね」

「ふふふ、貴女も手伝ってみる?」

「え?そんなこと出来るのですか?
やってみたいです!」

「じゃあ明日は畑仕事を手伝って下さい
ルーシー明日フローラに教えてあげてくれる?」

「はい、シスター」
そう言って立ち上がったのは、私より少し年上に見える栗毛色の髪の女性だった

「ルーシーさんよろしくお願いします」
私は頭を下げて挨拶した。

「こちらこそ明日部屋まで迎えにいきますね」

そう言ってくれました。

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