【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり

文字の大きさ
上 下
1 / 12

婚約破棄されました

しおりを挟む
今夜は王家主催の夜会だった。


王家主催なのだから、当然、主だった王族の方々は出席している。


何なら国王陛下と王妃様だけでは無く、成人前の王子王女どころか王弟閣下の家族も揃い踏みで、この場で王族の暗殺なんてしようモノならば、王家は途絶えてしまうんじゃない?というぐらいのメンツが揃っていた。



勿論、高位貴族も出席しているし、あと半年で学園を卒業する高位貴族の令息令嬢たちも招待されている、すご~く重要な意味のある夜会のハズ、だったんだよね。


それなのに、この場で婚約破棄なんてしようとする馬鹿がいるなんて、誰が予想出来たのかしら。



国王様、こんな事は寝耳に水だ、という事は分かりますが、その様な表情をこの場で皆様にお見せしてはいけませんわ。


王妃様、王妃様が王族の何たるか、を子どもたちに厳しく教え諭していたのを私もよく存じておりますから。

だから、この場で私に対して婚約破棄を言い渡してきたこの国の第一王子であるレオンハルト殿下の暴走は誰も予想出来るものでは無かったのだと思います。


いつの間にか壇上から降りていたレオンハルト殿下は、隣に何やらピンク髪で青眼の美少女を連れていますけれど。


更にその後ろに殿下の側近候補の3人がギロっと私を睨みつけている状態ではありますが。




・・・・王族の皆様方、心中お察し致します。



昔は栄華を誇った王国随一の劇団の定番の演目を思い出す様な構図ではありますけれど、その演目もとうの昔に飽きられて、今では席の半分も埋まらない程に落ちぶれてしまったのを思い出してしまいましたわね。



「聞いているのか、マリエッタ!お前の様なスキル無しの無能な婚約者など、このオーガスタ王国の第一王子である私には相応しくない。

は、癒しの力を持つこのルナティアだ!

貴様との婚約を破棄し、私はルナティアと婚約を結び直す事をここに宣言する!」



そこら辺には落ちていない金髪青眼の見目麗しいレオンハルト殿下は、、、もう少ししたらそこら辺に落ちているかも知れないわね。


貴方は得意になって婚約破棄などと言っているけれど、私とレオンハルト殿下の婚約を率先してゴリゴリと王家の力を使って、王命でもってもぎ取った国王陛下貴方のお父様が壇上で青い顔をして見ているけれど大丈夫なのかしら?



「レオンハルトっ!おっ、おまっ、何を言っているのだっ!?」


呆けた状態からやっと脱出したらしい国王陛下が椅子から立ち上がって叫んでいますが、息子には事の重大性が理解できないようですよ?


「父上っ、あ、公の場では陛下、でしたね。

申し訳ありません。

からやっと解放されてつい気が緩んでしまいました!」


、ですかぁ~。


確認を取らなくても、きっと私との婚約の事なのでしょう。


昔はコッソリとお忍びで市井に出かけた仲、でしたのにね。


でも、アレが悪かったのかなぁ~?


だってあの後直ぐに


「あなたをあいするきはないっ!」


とか、言われちゃったんだよねぇ。



まだ八歳とは言え、この国の王族で第一王子ならもう少し聡明さが欲しかったところよね。



あの日、レオンハルト殿下はに出会ったと言った。


そして恋をした。


以来、私は理不尽にも初恋の人と比べられ続け、形だけの婚約者扱いとなってしまった。


そうだった、そうだった。


私、既に八歳で『愛さない宣言』されてるじゃん。


十年経って、婚約破棄って何それ、今更!でしたわ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ここまでお読み下さりありがとうございます。

「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」  豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。  周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。  私は、この状況をただ静かに見つめていた。 「……そうですか」  あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。  婚約破棄、大いに結構。  慰謝料でも請求してやりますか。  私には隠された力がある。  これからは自由に生きるとしよう。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します

けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」  五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。  他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。 だが、彼らは知らなかった――。 ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。 そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。 「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」 逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。 「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」 ブチギレるお兄様。 貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!? 「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!? 果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか? 「私の未来は、私が決めます!」 皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます

ユユ
ファンタジー
“美少女だね” “可愛いね” “天使みたい” 知ってる。そう言われ続けてきたから。 だけど… “なんだコレは。 こんなモノを私は妻にしなければならないのか” 召喚(誘拐)された世界では平凡だった。 私は言われた言葉を忘れたりはしない。 * さらっとファンタジー系程度 * 完結保証付き * 暇つぶしにどうぞ

舌を切られて追放された令嬢が本物の聖女でした。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

押し付けられた仕事は致しません。

章槻雅希
ファンタジー
婚約者に自分の仕事を押し付けて遊びまくる王太子。王太子の婚約破棄茶番によって新たな婚約者となった大公令嬢はそれをきっぱり拒否する。『わたくしの仕事ではありませんので、お断りいたします』と。 書きたいことを書いたら、まとまりのない文章になってしまいました。勿体ない精神で投稿します。 『小説家になろう』『Pixiv』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

姉妹差別の末路

京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します! 妹嫌悪。ゆるゆる設定 ※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済

処理中です...