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こうして私は追い出された。
婚約者は私に「悪女は許さない!」と叫んだ。
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「ロバート様、お待たせてして申し訳ありません。今日は私の為にお忙しいところを来て頂きありがとうございます。」
とりあえずロバートに感謝の意を伝えて席につく。ってアレ?私の席おかしくない?何か2人分空けられて誰とも向き合わずなぼっち席だわ。嫌がらせが徹底しているわね、本当に。
誰も何も言わないし何ならお父様とロバート以外は皆ニヤニヤしているだけ。
ちょっと!クリスまで吹き出しそうになってるのどういう事よ!私の後ろに居たって気配で分かるのよっ、こういう事は!
そう言えばロバートは不機嫌そうな顔をしただけで私の方を見もしなければ返事もしなかったわね。
ねぇ、コレって本当に私の成人祝いのパーティーなのかしら?
とりあえず私以外の4人で和やかに会話しながら食事をし、私は一人無言で不味い料理をーええ、本当に物理的に不味かったのよ。塩分過多で死ぬかと思ったわ!ー食べ終えた。
「あら、お義姉様の成人祝いのパーティーの為に用意した料理ですのにあまりお食べにならなかったのですね。
折角、料理長がお義姉様の為に、と腕を奮って特別メニューを用意してくれたんですのよ?料理長の悲しむ顔が目に浮かびますわ。」
いや、エミリー。そんな悲しげな顔をしていても口角はガッツリ上がっているわよ?それに結構頑張って食べたわよ?褒めて欲しいわ!
「ティアナ嬢は君と違って他人への配慮も感謝の気持ちも持ち合わせていない人間なんだよ。」
私が何かをいう前にロバートが冷ややかな視線とともに言い出した。ティアナ嬢って一応婚約者であるのに随分他人行儀よね、まぁいいけど。
「先程だってエミィが用意したドレスを着る事なく付き返してきたのだろう?まだ君の目元には涙の跡が残っているよ、可哀想に。君はこんな女にも気にかける優しい女性なのに。」
私に向ける冷たい声とは打って変わって、エミリーには蕩けるような笑顔と甘い声で言うロバート。
どうでもいいけどエミィってエミリーの愛称だったの?まだ私と婚約者中なのに愛称呼びってどうなの?や、私は愛称で呼ばれたくはないからどうでもいいですけどね!
「ふふふ、エミリーちゃんとロバート様は相変わらず仲が良いわねぇ。」
え、仲が良いとか言っちゃっていいわけ?そんな言い方してたら不貞行為を疑われちゃわない?もう、私一人で心の中でツッコミ入れすぎて間違いなく精神力持ってかれてるわ、コレは。
あぁ、後ろでクリスが面白そうにニヤニヤ笑っているのが目に浮かぶわ。そんな姿を他の人たちが見たらクリスも間違いなくエミリー側についたと思われるわね。
「ティアナ嬢、今日で君は18歳になった。本来なら婚約者である私と結婚する予定だったが、君は勉強を嫌がって王立学園の中等部にすら通わなかった。
お茶会や社交界へも出席せず貴族の務めを果たさないばかりか侯爵家の仕事の手伝いもしていないそうじゃないか!」
いきなり前置き無しで唐突にぶっ込んできたわね~。学園には確かに行ってないしデビュタントもしていない私をお茶会に誘うご令嬢は居ない。ましてや夜会に参加出来る訳もない。
でも理由ぐらい聞いてくれたっていいと思うのだけれどね、一応婚約者なんだから。
「ずっと侯爵家に引き籠っているだけでなく理由もなくストレス解消だと言って私の私のエミィに暴力を振るっていると聞いている。僕は君の様な悪女は許せないっ!」
あっ!とうとう『私のエミィ』って言ったぁ!!いや、キモっ!もう不貞を隠す気もないよね?
「ぶふっ!」
え?クリス・・・まさか私の心の声が聞こえている訳じゃ無いでしょ?何でタイミング良く吹き出してるのよっ。流石にロバートが顔を顰めてアナタを見てるわよ!!
はっ!こんな微妙な状況でエミリーったらおメメうるうるモードに入ってた!
あら、いけない。私ったら心の中の一人ツッコミに忙しくてロバートに対して一言も言葉を発していなかったわ。
「ロバート様、確かに私は学園に通っておりませんしお茶会に出席した事もありませんわ。呼んで頂けるような親しい友人もおりませんしデビュタントも終えていない私は夜会に出席する事も出来ません。
ですが義妹のエミリーに暴力など振るってもおりませんし微力ながら父の仕事のお手伝いはさせて頂いております。」
とりあえず言う事はキチンと言うわよ?言われっ放しは性に合わないからね。
静かに斜め前方に座るロバート様を見ればイケメンな顔を益々歪ませて睨みつけられてしまった。
あ、私を睨みながら横に座るエミリーの肩をそっと抱き寄せてるわ、忙しい人だわぁ。
「お義姉様、お義姉様のお心が晴れるなら私に暴力振るうのは我慢致しますわ。でもどうか私の侍女たちに暴力を振るうのはお辞め下さいませっ!」
「「お、お嬢様ぁ~」」
えぇ~、どうやったのか涙をポロポロ零しながら小芝居2をぶっ込んできたわね。後ろで侍女たちも一緒に涙を流し始めたわ。うん、確かに儚げ美少女が涙を流す姿は同情を誘うわね。王子妃がダメでも人気女優にならなれるんじゃないかしら?
「私のエミィ!君がそんな理不尽な暴力に耐える事なんかしなくても良いんだよ。君の事は僕がいつだって守ると約束する!」
もう2人の関係を隠すとか取り繕うとかする気も無いみたいね。脳内お花畑過ぎて婚約破棄を言い渡すのも忘れてるのかしら。もしかしたら言ったつもりになってるんじゃない?
「ティアナ、お前には失望したよ。」
えぇっ!?このタイミングでお父様が割って入って来るの?失望も何も最初から期待してないじゃない!
何、この茶番劇・・・。
とりあえずロバートに感謝の意を伝えて席につく。ってアレ?私の席おかしくない?何か2人分空けられて誰とも向き合わずなぼっち席だわ。嫌がらせが徹底しているわね、本当に。
誰も何も言わないし何ならお父様とロバート以外は皆ニヤニヤしているだけ。
ちょっと!クリスまで吹き出しそうになってるのどういう事よ!私の後ろに居たって気配で分かるのよっ、こういう事は!
そう言えばロバートは不機嫌そうな顔をしただけで私の方を見もしなければ返事もしなかったわね。
ねぇ、コレって本当に私の成人祝いのパーティーなのかしら?
とりあえず私以外の4人で和やかに会話しながら食事をし、私は一人無言で不味い料理をーええ、本当に物理的に不味かったのよ。塩分過多で死ぬかと思ったわ!ー食べ終えた。
「あら、お義姉様の成人祝いのパーティーの為に用意した料理ですのにあまりお食べにならなかったのですね。
折角、料理長がお義姉様の為に、と腕を奮って特別メニューを用意してくれたんですのよ?料理長の悲しむ顔が目に浮かびますわ。」
いや、エミリー。そんな悲しげな顔をしていても口角はガッツリ上がっているわよ?それに結構頑張って食べたわよ?褒めて欲しいわ!
「ティアナ嬢は君と違って他人への配慮も感謝の気持ちも持ち合わせていない人間なんだよ。」
私が何かをいう前にロバートが冷ややかな視線とともに言い出した。ティアナ嬢って一応婚約者であるのに随分他人行儀よね、まぁいいけど。
「先程だってエミィが用意したドレスを着る事なく付き返してきたのだろう?まだ君の目元には涙の跡が残っているよ、可哀想に。君はこんな女にも気にかける優しい女性なのに。」
私に向ける冷たい声とは打って変わって、エミリーには蕩けるような笑顔と甘い声で言うロバート。
どうでもいいけどエミィってエミリーの愛称だったの?まだ私と婚約者中なのに愛称呼びってどうなの?や、私は愛称で呼ばれたくはないからどうでもいいですけどね!
「ふふふ、エミリーちゃんとロバート様は相変わらず仲が良いわねぇ。」
え、仲が良いとか言っちゃっていいわけ?そんな言い方してたら不貞行為を疑われちゃわない?もう、私一人で心の中でツッコミ入れすぎて間違いなく精神力持ってかれてるわ、コレは。
あぁ、後ろでクリスが面白そうにニヤニヤ笑っているのが目に浮かぶわ。そんな姿を他の人たちが見たらクリスも間違いなくエミリー側についたと思われるわね。
「ティアナ嬢、今日で君は18歳になった。本来なら婚約者である私と結婚する予定だったが、君は勉強を嫌がって王立学園の中等部にすら通わなかった。
お茶会や社交界へも出席せず貴族の務めを果たさないばかりか侯爵家の仕事の手伝いもしていないそうじゃないか!」
いきなり前置き無しで唐突にぶっ込んできたわね~。学園には確かに行ってないしデビュタントもしていない私をお茶会に誘うご令嬢は居ない。ましてや夜会に参加出来る訳もない。
でも理由ぐらい聞いてくれたっていいと思うのだけれどね、一応婚約者なんだから。
「ずっと侯爵家に引き籠っているだけでなく理由もなくストレス解消だと言って私の私のエミィに暴力を振るっていると聞いている。僕は君の様な悪女は許せないっ!」
あっ!とうとう『私のエミィ』って言ったぁ!!いや、キモっ!もう不貞を隠す気もないよね?
「ぶふっ!」
え?クリス・・・まさか私の心の声が聞こえている訳じゃ無いでしょ?何でタイミング良く吹き出してるのよっ。流石にロバートが顔を顰めてアナタを見てるわよ!!
はっ!こんな微妙な状況でエミリーったらおメメうるうるモードに入ってた!
あら、いけない。私ったら心の中の一人ツッコミに忙しくてロバートに対して一言も言葉を発していなかったわ。
「ロバート様、確かに私は学園に通っておりませんしお茶会に出席した事もありませんわ。呼んで頂けるような親しい友人もおりませんしデビュタントも終えていない私は夜会に出席する事も出来ません。
ですが義妹のエミリーに暴力など振るってもおりませんし微力ながら父の仕事のお手伝いはさせて頂いております。」
とりあえず言う事はキチンと言うわよ?言われっ放しは性に合わないからね。
静かに斜め前方に座るロバート様を見ればイケメンな顔を益々歪ませて睨みつけられてしまった。
あ、私を睨みながら横に座るエミリーの肩をそっと抱き寄せてるわ、忙しい人だわぁ。
「お義姉様、お義姉様のお心が晴れるなら私に暴力振るうのは我慢致しますわ。でもどうか私の侍女たちに暴力を振るうのはお辞め下さいませっ!」
「「お、お嬢様ぁ~」」
えぇ~、どうやったのか涙をポロポロ零しながら小芝居2をぶっ込んできたわね。後ろで侍女たちも一緒に涙を流し始めたわ。うん、確かに儚げ美少女が涙を流す姿は同情を誘うわね。王子妃がダメでも人気女優にならなれるんじゃないかしら?
「私のエミィ!君がそんな理不尽な暴力に耐える事なんかしなくても良いんだよ。君の事は僕がいつだって守ると約束する!」
もう2人の関係を隠すとか取り繕うとかする気も無いみたいね。脳内お花畑過ぎて婚約破棄を言い渡すのも忘れてるのかしら。もしかしたら言ったつもりになってるんじゃない?
「ティアナ、お前には失望したよ。」
えぇっ!?このタイミングでお父様が割って入って来るの?失望も何も最初から期待してないじゃない!
何、この茶番劇・・・。
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