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旅の出会い
閑話 冒険のはじまり side アオ
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オレはこの世界の母神ナーシャ様の御使いとも呼ばれている神獣フェンリル!
・・・・の息子だ。
名前は最近出会った聖女さまが付けてくれたんだぞ!
オレの名は、、、アオだ!
アオ、アオって、、、、。
オレは八匹兄弟の末っ子だ。末っ子だが兄弟の中では一番優秀なフェンリルで度胸もある漢だ!
だってオレは魔王が復活した事に気付いていたんだからな!
母ちゃんだって気付いてなかったんだ。ナーシャ様と母ちゃんが話しているのをコッソリ聞いていたんだから本当だぞ。
『ナーシャ様、では本当に魔王が復活したと?』
「えぇ、確かに。ですが復活したというよりは新たな魔王が誕生、まだ生まれたばかり、といったところでしょうか。
ただ、気掛かりなのは今世の魔王は初代魔王の生まれ変わりなのです。」
『まぁ!ではナーシャ様、神託を?』
「えぇ、そのつもりです。魔王がどの様に育つかはまだ分かりませんが、念の為、人族の国に知らせるつもりです。」
『では、聖女様を?』
その後は母ちゃんたちに見つかって続きは聞いてない。
でも、、、、。
魔王が復活?
しかも初代魔王の生まれ変わり!?
それに聖女様って、、、、何だ?
オレはナターシャ様と母ちゃんの話を思い出しながら考えた。
・・・・・そうかっ!
最近、あっちの山の方を向くと何故か鼻がムズムズして変な感じだったのは、魔王の気配をオレが察知していたからなんだな!
たまにクシャミが出るぐらい鼻がムズムズしてたもんなぁ~。
エヘンッ。
オレはやっぱり優秀なフェンリルだ。
兄弟の中で一番チビだとバカにされてばっかりだったけれど、オレだけが魔王の復活に気付いてたんだ!
そうすると魔王はあっちの山の方に居るんだな?
あれ?生まれたって事は、魔王はまだ赤ん坊って事じゃないのか?
もしかして今ならオレでも魔王をやっつけられる?
だってオレは、もう生まれて一年が過ぎたらしいからな。兄ちゃんが言ってたけど。
それにオレは魔王の存在に気付いている優秀で勇敢なフェンリルだ。
良しっ!
母ちゃんや兄ちゃんたちにはナイショで、コッソリと魔王退治に行って皆を驚かせてやろう!
そうしたら皆、オレのことを『チビ』なんて呼ばなくなるんじゃねぇ?
フハハハハ!
オレって優秀な上に天才だなっ!
そうしてオレは、母ちゃんたちに内緒で、コッソリと聖域を抜け出して魔王退治に出たんだ。
魔王の匂いなんて知らないけど、鼻がムズムズする方向にきっと居る筈だ。
走って、走って、、、、。
だんだんと鼻のムズムズがグズグズに変わっていって、もう少しで魔王の居る場所に着くんじゃね?という時に、ちょっと疲れて眠くなった。
魔王退治の前にちゃんと休憩しないとダメだな。
だからほんのちょっと寝て、起きたら魔王退治だ!と休憩する事にしたんだ。
そんで寝て起きたら、黒いのがオレにくっついてた。
何だ、これ!?
尻尾を振り回しても取れないし、取れないのがなんかイライラするし。
イライラしていたら、なんかもう魔王退治なんてどうでもよくなってきた。
腹立つし身体は何だか重いし、どんどんと黒いのが纏わりついてきてすっごく嫌な気分。
動くのも怠くて、眠ってばかりで、どれぐらい寝ていたんだろう?
ある日、ダラダラと寝ていたオレは、何処からか、いい匂いがしてきたパチリと目が覚めた。
あれ?何か鼻のグズグズがちょっとだけ良くなってきたぞ?
オレは久しぶりに起き上がろうとして、いい匂いが遠ざかって行くのに気が付いた。
待って!その匂い、オレ、すっごく好き!
鼻のグズグズが減っていくし、その匂いに似たやつ、知っている気がする!
オレは慌てて立ち上がると、もう消えかかっている匂いのする方へと走り出した。
待って。待って!
いい匂い。
母ちゃんの匂い?
違う!もっといいやつ!
久しぶりに動いたからか、思うように走れなくて、どんどん遠ざかって行く匂いに早く追いつきたくて、必死に走った。
中々追いつけなくて、それでもいい匂いを見失わないようにオレは頑張った。
あぁ、オレ、やっぱりチビだから追いつけないのかなぁ。
オレがもっともっと大きかったら直ぐに追いついたのかなぁ。
走って、走って。
気が付いたら地面スレスレだった視線が高くなってた。
あれ?オレ、もうチビじゃない?
なんか今、すっげぇ、気分いいんだけど。
気分が良くなったら、腹減った気がする!
オレ、神獣の子どもだからな。人間とか獣とかみたいに食べ物を食べる必要ないんだけどな。
神様の気とか光魔法や聖魔法の魔力を貰うだけでお腹一杯になるって、母ちゃんは言ってた。
そう言えば、ずっと食べてなかったからお腹が空いたんだな。
良しっ。ご飯!ご飯が食べたいぞ!
そう思って、いい匂いを追いながら、邪魔な木がたくさんある森の中を走っていたら何か居た!
あれって人間だな。
人間、、、、食べ物?
いや、違う。アレは食べ物じゃ、、、。
ん?アレにいい匂いがくっついているような?
じゃあ、アレはオレのご飯なのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」での応援もありがとうございます!
独自設定アリのフェンリルになっています。
黒いモヤ(魔素)が身体に纏わりついたので、アオを守る為に身体が本能的に眠ることを選択した模様。
だけど黒いモヤの影響はどんどん大きくなって現在、黒いモヤ(魔素)ハイな状態です。
・・・・の息子だ。
名前は最近出会った聖女さまが付けてくれたんだぞ!
オレの名は、、、アオだ!
アオ、アオって、、、、。
オレは八匹兄弟の末っ子だ。末っ子だが兄弟の中では一番優秀なフェンリルで度胸もある漢だ!
だってオレは魔王が復活した事に気付いていたんだからな!
母ちゃんだって気付いてなかったんだ。ナーシャ様と母ちゃんが話しているのをコッソリ聞いていたんだから本当だぞ。
『ナーシャ様、では本当に魔王が復活したと?』
「えぇ、確かに。ですが復活したというよりは新たな魔王が誕生、まだ生まれたばかり、といったところでしょうか。
ただ、気掛かりなのは今世の魔王は初代魔王の生まれ変わりなのです。」
『まぁ!ではナーシャ様、神託を?』
「えぇ、そのつもりです。魔王がどの様に育つかはまだ分かりませんが、念の為、人族の国に知らせるつもりです。」
『では、聖女様を?』
その後は母ちゃんたちに見つかって続きは聞いてない。
でも、、、、。
魔王が復活?
しかも初代魔王の生まれ変わり!?
それに聖女様って、、、、何だ?
オレはナターシャ様と母ちゃんの話を思い出しながら考えた。
・・・・・そうかっ!
最近、あっちの山の方を向くと何故か鼻がムズムズして変な感じだったのは、魔王の気配をオレが察知していたからなんだな!
たまにクシャミが出るぐらい鼻がムズムズしてたもんなぁ~。
エヘンッ。
オレはやっぱり優秀なフェンリルだ。
兄弟の中で一番チビだとバカにされてばっかりだったけれど、オレだけが魔王の復活に気付いてたんだ!
そうすると魔王はあっちの山の方に居るんだな?
あれ?生まれたって事は、魔王はまだ赤ん坊って事じゃないのか?
もしかして今ならオレでも魔王をやっつけられる?
だってオレは、もう生まれて一年が過ぎたらしいからな。兄ちゃんが言ってたけど。
それにオレは魔王の存在に気付いている優秀で勇敢なフェンリルだ。
良しっ!
母ちゃんや兄ちゃんたちにはナイショで、コッソリと魔王退治に行って皆を驚かせてやろう!
そうしたら皆、オレのことを『チビ』なんて呼ばなくなるんじゃねぇ?
フハハハハ!
オレって優秀な上に天才だなっ!
そうしてオレは、母ちゃんたちに内緒で、コッソリと聖域を抜け出して魔王退治に出たんだ。
魔王の匂いなんて知らないけど、鼻がムズムズする方向にきっと居る筈だ。
走って、走って、、、、。
だんだんと鼻のムズムズがグズグズに変わっていって、もう少しで魔王の居る場所に着くんじゃね?という時に、ちょっと疲れて眠くなった。
魔王退治の前にちゃんと休憩しないとダメだな。
だからほんのちょっと寝て、起きたら魔王退治だ!と休憩する事にしたんだ。
そんで寝て起きたら、黒いのがオレにくっついてた。
何だ、これ!?
尻尾を振り回しても取れないし、取れないのがなんかイライラするし。
イライラしていたら、なんかもう魔王退治なんてどうでもよくなってきた。
腹立つし身体は何だか重いし、どんどんと黒いのが纏わりついてきてすっごく嫌な気分。
動くのも怠くて、眠ってばかりで、どれぐらい寝ていたんだろう?
ある日、ダラダラと寝ていたオレは、何処からか、いい匂いがしてきたパチリと目が覚めた。
あれ?何か鼻のグズグズがちょっとだけ良くなってきたぞ?
オレは久しぶりに起き上がろうとして、いい匂いが遠ざかって行くのに気が付いた。
待って!その匂い、オレ、すっごく好き!
鼻のグズグズが減っていくし、その匂いに似たやつ、知っている気がする!
オレは慌てて立ち上がると、もう消えかかっている匂いのする方へと走り出した。
待って。待って!
いい匂い。
母ちゃんの匂い?
違う!もっといいやつ!
久しぶりに動いたからか、思うように走れなくて、どんどん遠ざかって行く匂いに早く追いつきたくて、必死に走った。
中々追いつけなくて、それでもいい匂いを見失わないようにオレは頑張った。
あぁ、オレ、やっぱりチビだから追いつけないのかなぁ。
オレがもっともっと大きかったら直ぐに追いついたのかなぁ。
走って、走って。
気が付いたら地面スレスレだった視線が高くなってた。
あれ?オレ、もうチビじゃない?
なんか今、すっげぇ、気分いいんだけど。
気分が良くなったら、腹減った気がする!
オレ、神獣の子どもだからな。人間とか獣とかみたいに食べ物を食べる必要ないんだけどな。
神様の気とか光魔法や聖魔法の魔力を貰うだけでお腹一杯になるって、母ちゃんは言ってた。
そう言えば、ずっと食べてなかったからお腹が空いたんだな。
良しっ。ご飯!ご飯が食べたいぞ!
そう思って、いい匂いを追いながら、邪魔な木がたくさんある森の中を走っていたら何か居た!
あれって人間だな。
人間、、、、食べ物?
いや、違う。アレは食べ物じゃ、、、。
ん?アレにいい匂いがくっついているような?
じゃあ、アレはオレのご飯なのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」での応援もありがとうございます!
独自設定アリのフェンリルになっています。
黒いモヤ(魔素)が身体に纏わりついたので、アオを守る為に身体が本能的に眠ることを選択した模様。
だけど黒いモヤの影響はどんどん大きくなって現在、黒いモヤ(魔素)ハイな状態です。
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