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ガーナの街にて
よく効いた、らしい
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魔力を手のひらに集中させると何故だか手が熱を持ち始めた私。それは高熱というほどではなくてカイロ的な温かさを維持している感じだった。
因みにその後、チョロチョロとだけれど水魔法は使えたの。けれど手は温かくなるのに火魔法は使えなかったんだよね。
まぁ、その時の私は水魔法が使えたことよりも、カイロのようになる私の手がリカルドさんの四十肩の助けになるんじゃないのか、で頭の中は一杯だった。
「おぉっ!確かにリオの手から温かい熱を感じるぞっ!」
リカルドさんが驚きの声が上がる。
あれから夕方の仕込み前にリカルドさんとルーナさんにお願いして時間を取って貰う事になった。
四十肩の治療にルーナさんが立ち会う必要は無いけれど、男女二人きりで部屋に居る訳にはいかないからね。そこはちゃんと気を遣ったつもり。
「さっきジョージ君に生活魔法の練習に付き合って貰ったら、魔力を手のひらに集中させる練習をしていた時に、私の場合、手のひらが熱を持つ事が分かったんです。
この状態をリカルドさんの四十肩の治療に使えないかな、と思ったんですよ。」
椅子に座っているリカルドさんは、机の上に置いたクッションに手から肘までを乗せている。
私はリカルドさんの背後から肩甲骨の辺りと肩に両手で触れ、そっと魔力を手のひらに集めるようにイメージし『四十肩が治りますように。』と祈った。
そうするとちょっと温かさを感じるような淡く白くポゥっと光った。
最初は私の話を半信半疑で聞いていた二人だったけれど、まずリカルドさんが驚きの声を上げた。そしてその言葉にルーナさんが恐る恐る聞いてきた。
「どれぐらい温かいの?私も触っていいかしら?」
「はい。こんな感じなんですよ~。」
私は右手を差し出して、差し出されたルーナさんの手をキュッと握った。
「まぁっ!本当に温かいわっ。リオったら凄いのねぇ。」
感心するようにルーナさんは言ったけれど、何故こうなるのかは分からないので実際のところはこれが凄いのかどうかは分からない。
でもちゃんと温かいと感じるならカイロ代わりにはなっているかな。
約十分ほどリカルドさんが痛みを感じる部分全てを手を移動させつつ温めた。
この先ずっと、は出来ないけれどせめてニ、三日は朝昼晩と続けて痛みが和らぐように続けたい。
数日で良くなるとは思わないけど、それでも少しぐらいは四十肩の改善の役には立てるんじゃないかなぁ。
そうしたらこの街を出発しようかな。
その夜はジョージ君のお友達が数人で食べに来たりいつになくリカルドさんが張り切って厨房に立っていた。
そして次の日。
「リオっ!俺の肩が痛くないんだよ!肩も肘もだっ!!」
早朝、食堂の掃除をしていると、リカルドさんが腕をブンブンと振り回しながら階段から下りてきた。
ちょっ!リカルドさん、それは危ない!
壁にぶつけやしないかと心配していたのは厨房に立っていたルーナさんもそう。
何事か、と思うほど嬉しそうにリカルドさんは何故だか両手をブンブン振り回している。
「ちょっ、ちょっとアンタ。そんなに腕を振り回したら危ないわよ。」
「ルーナっ。本っ当に全く痛くない。こんなに肩がスッキリと軽く感じるなんていつぶりだ?」
嬉しそうにはしゃぐリカルドさんに、肩の痛みが無いという言葉に喜びつつも、腕を振り回すリカルドさんに、また痛めそうだ、と心配になる。
「たった一回、痛いところを温めただけなのに凄い効果だなっ!」
リカルドさんて本当はこんな風に笑顔を見せてくる陽気な人だったんだなぁ。
「きっとリカルドさんが頑張って体操をしたからですよ。」
私がそう言うと、『本当にありがとう!』私の両手を取ってブンブンと上下に振る。
だからそんなに激しく動くと、、、、と言おうとして口を噤む。リカルドの両面に薄っすらと涙が浮かんでいたからだ。
ずっとルーナさんに心配をかけて辛い思いをさせていたリカルドさんの事は、体操をする様になっても本当は少し信用していなかった。
リカルドの四十肩を治したいって思ったのだってルーナさんの為だったからねぇ。
だけど、リカルドさんにしか分からない辛さがあったんだと今更に気付いた。例え一部だとしても体が自由に動かない辛さや苦しみって、きっと体験しないと分からない事なんだね。
だって肩が痛い、腕が上がらないって言ったって、食べて飲んで普通に生活出来ている様に他からは見えてしまう。
どうして腕が上がらないんだ、って本人が一番歯痒くて不安に思っているのに、他人から大丈夫な部分だけを見て言われたらきっと辛い。
まぁ、それでも私はルーナさん贔屓で見てしまうんだけどね。
これからリカルドさんには目一杯、奥様孝行をしてもらおう。
「リカルドさん、まだ無茶したらダメですよ?体操もまだまだ続けて下さいね。」
そう言ってこの日は朝昼晩としっかりと私の手カイロで痛みがあった部分を温めた。
勿論、ルーナさんが見守る中でね。
その日の夜は張り切ったリカルドさんが久しぶりにキッチンの中央に立って調理をしたので常連さんを驚かせていた。
初めてリカルドさんが作った牛肉のステーキを食べたけれど、絶妙な焼き加減で美味しかった。
フランベ、っていうやつ?
あれを初めて間近で見たけど凄いね。料理するのは好きだけれど、あれはちょっと怖くて私には出来ないな。
因みにその後、チョロチョロとだけれど水魔法は使えたの。けれど手は温かくなるのに火魔法は使えなかったんだよね。
まぁ、その時の私は水魔法が使えたことよりも、カイロのようになる私の手がリカルドさんの四十肩の助けになるんじゃないのか、で頭の中は一杯だった。
「おぉっ!確かにリオの手から温かい熱を感じるぞっ!」
リカルドさんが驚きの声が上がる。
あれから夕方の仕込み前にリカルドさんとルーナさんにお願いして時間を取って貰う事になった。
四十肩の治療にルーナさんが立ち会う必要は無いけれど、男女二人きりで部屋に居る訳にはいかないからね。そこはちゃんと気を遣ったつもり。
「さっきジョージ君に生活魔法の練習に付き合って貰ったら、魔力を手のひらに集中させる練習をしていた時に、私の場合、手のひらが熱を持つ事が分かったんです。
この状態をリカルドさんの四十肩の治療に使えないかな、と思ったんですよ。」
椅子に座っているリカルドさんは、机の上に置いたクッションに手から肘までを乗せている。
私はリカルドさんの背後から肩甲骨の辺りと肩に両手で触れ、そっと魔力を手のひらに集めるようにイメージし『四十肩が治りますように。』と祈った。
そうするとちょっと温かさを感じるような淡く白くポゥっと光った。
最初は私の話を半信半疑で聞いていた二人だったけれど、まずリカルドさんが驚きの声を上げた。そしてその言葉にルーナさんが恐る恐る聞いてきた。
「どれぐらい温かいの?私も触っていいかしら?」
「はい。こんな感じなんですよ~。」
私は右手を差し出して、差し出されたルーナさんの手をキュッと握った。
「まぁっ!本当に温かいわっ。リオったら凄いのねぇ。」
感心するようにルーナさんは言ったけれど、何故こうなるのかは分からないので実際のところはこれが凄いのかどうかは分からない。
でもちゃんと温かいと感じるならカイロ代わりにはなっているかな。
約十分ほどリカルドさんが痛みを感じる部分全てを手を移動させつつ温めた。
この先ずっと、は出来ないけれどせめてニ、三日は朝昼晩と続けて痛みが和らぐように続けたい。
数日で良くなるとは思わないけど、それでも少しぐらいは四十肩の改善の役には立てるんじゃないかなぁ。
そうしたらこの街を出発しようかな。
その夜はジョージ君のお友達が数人で食べに来たりいつになくリカルドさんが張り切って厨房に立っていた。
そして次の日。
「リオっ!俺の肩が痛くないんだよ!肩も肘もだっ!!」
早朝、食堂の掃除をしていると、リカルドさんが腕をブンブンと振り回しながら階段から下りてきた。
ちょっ!リカルドさん、それは危ない!
壁にぶつけやしないかと心配していたのは厨房に立っていたルーナさんもそう。
何事か、と思うほど嬉しそうにリカルドさんは何故だか両手をブンブン振り回している。
「ちょっ、ちょっとアンタ。そんなに腕を振り回したら危ないわよ。」
「ルーナっ。本っ当に全く痛くない。こんなに肩がスッキリと軽く感じるなんていつぶりだ?」
嬉しそうにはしゃぐリカルドさんに、肩の痛みが無いという言葉に喜びつつも、腕を振り回すリカルドさんに、また痛めそうだ、と心配になる。
「たった一回、痛いところを温めただけなのに凄い効果だなっ!」
リカルドさんて本当はこんな風に笑顔を見せてくる陽気な人だったんだなぁ。
「きっとリカルドさんが頑張って体操をしたからですよ。」
私がそう言うと、『本当にありがとう!』私の両手を取ってブンブンと上下に振る。
だからそんなに激しく動くと、、、、と言おうとして口を噤む。リカルドの両面に薄っすらと涙が浮かんでいたからだ。
ずっとルーナさんに心配をかけて辛い思いをさせていたリカルドさんの事は、体操をする様になっても本当は少し信用していなかった。
リカルドの四十肩を治したいって思ったのだってルーナさんの為だったからねぇ。
だけど、リカルドさんにしか分からない辛さがあったんだと今更に気付いた。例え一部だとしても体が自由に動かない辛さや苦しみって、きっと体験しないと分からない事なんだね。
だって肩が痛い、腕が上がらないって言ったって、食べて飲んで普通に生活出来ている様に他からは見えてしまう。
どうして腕が上がらないんだ、って本人が一番歯痒くて不安に思っているのに、他人から大丈夫な部分だけを見て言われたらきっと辛い。
まぁ、それでも私はルーナさん贔屓で見てしまうんだけどね。
これからリカルドさんには目一杯、奥様孝行をしてもらおう。
「リカルドさん、まだ無茶したらダメですよ?体操もまだまだ続けて下さいね。」
そう言ってこの日は朝昼晩としっかりと私の手カイロで痛みがあった部分を温めた。
勿論、ルーナさんが見守る中でね。
その日の夜は張り切ったリカルドさんが久しぶりにキッチンの中央に立って調理をしたので常連さんを驚かせていた。
初めてリカルドさんが作った牛肉のステーキを食べたけれど、絶妙な焼き加減で美味しかった。
フランベ、っていうやつ?
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